安上がりだけどおいしいアイデア料理が登場する「くーねるまるた」
まず、給料前のおさいふのさみしいときにおすすめなのが、ビックコミックスピリッツで連載中のグルメ漫画「くーねるまるた」(作:高尾じんぐ)。主人公のマルタは、築70年のおんぼろアパートに住むポルトガルからきた女の子。貧乏だけど食いしん坊で、身近な食材に工夫を加えた料理を得意にしています。
例えば、今まで作中に出てきた料理のひとつが「豚肉の紅茶煮」。ひもで縛った豚肉を紅茶と蜂蜜で1時間弱煮込み、醤油、酒、みりん、酢などの漬けダレにつけて半日ねかせるだけという簡単メニュー。
ほかにも、パンやクラッカーにつければオシャレな「蟹のディップ」は、生クリームとプレーンヨーグルトを混ぜて一晩おいておき、カニ缶(作中は捕まえてきたザリガニですが無理なので…)、ハーブ入りコンソメ、あさつきとまぜるだけ。
さらにマルタは日本の文学にも詳しく、作中にはいろいろな文学作品が登場します。中でもBramanoli世代に懐かしいのが「白いぼうし」(作:あまんきみこ)。「これはレモンの匂いですか?」というタクシーの中での会話から始まる物語、国語の教科書で読んだ人も多いのではないでしょうか。そんないろんなおもしろさがある「くーねるまるた」は一読の価値ありの作品です。

くーねるまるた(1) (ビッグコミックススペシャル)
¥ 596
悩みや迷いがある女子必見!「サチのお寺ごはん」
「孤独のグルメ」「花のズボラ飯」の原作者でもある久住昌之さんが原案協力をし、メディアでも活躍中の料理僧・青江覚峰がレシピ提供をしているのが「サチのお寺ごはん」(作:かねもりあやみ)。
主人公は、小さな不運だらけの人生を送ってきたOLの臼井幸。日々の食生活はコンビニやインスタント食品で食べる楽しみすらあきらめていた彼女が、ある日、3人組のお坊さんに出会い仏法と精進料理を教えてもらい、前向きに歩み始める物語です。
第1話では、自炊をするようなちゃんとした生活はあきらめていて食事にこだわりがない、と話す彼女に対して、お坊さんがあなたはあきらめているのではなく目をそらしているだけだと話し「茄子の利休汁」(ごまの入ったおみそ汁)という精進料理を振る舞います。
精進料理は、手軽にマネできるほど簡単なものではないですが、丁寧な食事をするヒントは有益で、仏法が説教臭くないのもこの漫画のおすすめポイント。するすると読み進めていくうちに元気になっていける作品です。

サチのお寺ごはん(1)(A.L.C.DX)
¥ 669
クックパッドに公式レシピを掲載する“スープマンガ”「オリオリスープ」
スープが大好きな本の装丁家、原田織ヱが主人公のマンガ「オリオリスープ」は、スープだけにこだわった作品。各話ごとに、和洋中、エスニックなど、さまざまなスープが登場します。スープといっても、麺入りのものや鍋料理のようなものなど、添え物のスープではなくガッツリ1食というものもあり、とにかくおいしそう。
また、織ヱをとりまく人間模様やストーリーがおもしろいのも魅力。ほっこりできたり、ジーンとできたり、1話ごとが温かなスープのように心に染み入ります。
さらに、マンガを読んでそのスープが飲みたくなったら、クックパッドで「オリオリスープ」と検索を。公式レシピが公開されています。漫画の内容を反芻するようにスープを楽しんでみるのもいいですね。

オリオリスープ(1) (モーニング KC)
¥ 734
呑んべえ女子は酒と肴を持って読むべし「ワカコ酒」
BSジャパンでドラマ化され、4月からシーズン3の放送も決まっている「ワカコ酒」。酒と料理をこよなく愛し、初めての店でも躊躇なくのれんをくぐれるワカコの日々を描いた人気作品です。
この作品の魅力は、おいしいものが登場するだけでなく、呑んべえ女子なら、共感、絶賛間違いなしのワカコの思考回路。例えば、結婚式ではお祝いしたいという気持ちの片隅で、コース料理に沿って飲み物をオーダー(メインの肉料理×赤ワインなど)する順番を考えていたり、あん肝やカニミソなど臭みのあるものには熱燗、馬刺しには焼酎など組み合わせルールがあったり。マンガのキャラと分かっていながらも、ワカコと一緒に飲みたい。と思わずにいられません。お酒を飲んだ後のワカコのキメ台詞「ぷしゅー」をついマネしたくなっちゃいますよ。
味や実物を想像しながら楽しむグルメ漫画は、誰もが幸せで楽しい気持ちになれるジャンルです。 「飯テロだーっ!」と身もだえしつつも、休日や仕事後に気持ちをリセット、リフレッシュしたいときにぜひ読んでみてくださいね!

ワカコ酒 1 (ゼノンコミックス)
¥ 607
ライター/環境アレルギーアドバイザー/福祉について勉強中。お酒、漫画、ゲームが好き。人生の目標は「ていねいに生きる」