今年の夏のテーマは “ワガママ宣言”【大網理紗 エッセイ “自分軸”で生きるということ#9】 | 大人のワタシを楽しむメディア- bramanoli.info
今年の夏のテーマは “ワガママ宣言”【大網理紗 エッセイ “自分軸”で生きるということ#9】

今年の夏のテーマは “ワガママ宣言”【大網理紗 エッセイ “自分軸”で生きるということ#9】

あなたが何かを言ったり行動したりする時に“周囲の視線”を気にしてはいませんか?私たちはついつい周りにどう思われるか、ということを基準にした言動をしがちです。ですが、“それは本当のあなた”なのでしょうか?アトランタ在住の国際基準マナー講師の大網理紗さんはもっと自由に身軽に解放的に、周囲の視線を気にせず生きてもいいのではないか、と言います。今年の夏のテーマは“ワガママ宣言”。そんな自分になってみませんか?


“周囲の視線”って、いったい何?

アメリカには「4大プロスポーツ」と呼ばれる人気のスポーツがあります。 アメリカンフットボール、野球(メジャーリーグ)、バスケットボール、アイスホッケーです。先日、そのなかの一つ、バスケットボール観戦へ行きました。こちらでは試合と試合の間のちょっとした休憩時間に、観客を巻き込んだパフォーマンスが行われます。

そのひとつに「KISS CAM(キスカム)」というものがあります。これは試合会場の巨大スクリーンに映し出されたカップルはキスをする、というもの。何組ものカップルが数秒間ごとに、ランダムに映し出されていきます。20代くらいのカップルもいれば、ファミリーできているパパとママや老夫婦までさまざまなカップルがいますが、どのカップルも映し出されると、次々とキスをしていきます。スクリーンに映るのは数秒です。「え!え!」なんて戸惑っていたら、すぐにスクリーンアウトしてしまいます。

State Farm ArenaでのAtlanta Hawks 対 Brooklyn Nets の試合での“KISS CAM”。アメリカでは観客を巻き込んださまざまなパフォーマンスが大人気。選手が続けてシュートを外すと、観客全員にハンバーガーをプレゼント! なんていうものもあります。

「キスカム」と言われたら、すぐにキスをする。すぐにそのノリにのれるというのはすごいことです。しかも私が参加した試合では、どちらかというと、女性から積極的にキスをしている様子でした。キスカムは要人にスポットが当てられることもあるそうで、過去には、親善試合に招かれたオバマ前大統領がミシェル夫人とキスしたのだとか。なかなか日本では見られないノリだなと感じました。キスといえば、駐車場で送ってくれた夫にキスして車から降りてくる70代くらいのマダムを見かけたことがあります。映画を見ているような、なんとも自然な雰囲気で素敵でした。日本とアメリカでは、キスやスキンシップの捉え方が少し違うようにも感じるので、日本で同じことを実践してみるのは難しいかもしれません。

それに周囲から向けられる視線も、アメリカとは違う…と思ってしまうのは私だけでしょうか。でもふと、「周囲の視線」とは何なのだろう? と考えてしまいます。

重りに囚われない自由な自分になりませんか

「キスカム」以外に「DANCE CAM(ダンスカム)」というパフォーマンスもあります。これは映し出された人がダンスをするというもの。何人目かでスクリーンに映し出されたのは、50代くらいの眼鏡をかけた学者風の男性。ネクタイこそしていなかったものの、仕事帰りらしいビジネスシャツを着ています。正直あまり踊りそうなタイプには見えません。ところが彼は「ダンスタイム!」と自分が映し出されるなり、なんとノリノリで踊り出しました。正直、決して上手とは言えないダンスですが、彼のダンスは周りを巻き込み、拍手喝采!

その後、彼のダンスは「今日のMVP」に選ばれていました。 驚いたのはそれだけではありません。「ダンスカム」になるなり、「Me! Me!(私! 私!)」と立ち上がってアピールする子どもたちの多いこと。周りを見渡すと、映してほしくてダンスをしたくて「私を映して!」とアピールしている子どもたちがたくさんいるのです。日本の大学や中学高校で講義をすると、私からの質問に対して自ら手を挙げる学生は少数だと感じます。

私から指名すると、みんなきちんとした意見を言える優秀な学生さんたちです。それでも、女性からはなかなか手が挙がりません。まして「私を指して!」というほどの積極的な女性はごくごくごく少数…というのが私の実感です。かくいう私の学生時代は指名されそうになると、目をそらして下をむいて「どうか私を指さないで」と心の中で祈っている、そんな子どもでした。

それはどうしてでしょう? 間違ったら恥ずかしいから、自信がないから、積極的に手を挙げると出しゃばっている風に思われるから…「私が! 私が!」というのはみっともない、はしたないと思われる…。いつからか、そんな無意識の重りが私にまとわりつき、自ら手を挙げることをしなくなっていました。だからでしょうか。「Me! Me!(私! 私!)」と自分の想いに忠実に手を挙げられる子どもたちがとてもまぶしく感じるのです。自己主張が強いと思われても、「何やってるの」と嘲笑を受けてもいい。

「周りの視線」という重りに囚われない自由な自分に、私たちはそろそろなってもいい気がしませんか?

“自分が好きな自分”を基準に服を選ぶ

連日30度を超えるアトランタ。私が暮らすアパートメントにはプールがあるので、仕事の前に泳いだり、子どもを連れていったりとプールは日常生活の一部です。友人同士でカフェでお茶するようにプールで話している人、プールに浸かりながら本を読んでいる人、プールサイドで仕事をしている人、みんなが思い思いにプールを楽しんでいます。「私は夫とプールで知り合ったのよ」という友人もいます。

私たちのアパートメントにあるプール。サマータイムの今は夜9時頃まで明るいので、仕事から帰ってきた後、子どもをプールに連れてくるパパの姿も。

私自身にも、「プールでよく会う友人たち」がいて、こちらには「プール社交」があるようにも感じています。日本では「スタイルが良くないとビキニなんて着られない」というイメージですが、こちらはビキニが主流。先日プールで知り合った50代の女性も、ヒョウ柄の水着を着ていました。そもそもビキニ以外の水着が少なく、「日に焼けないように…」なんて考えていると、なかなか水着を見つけられません。それに日本でよくあるような体を隠せるウェアがとても少ないのです。宗教上、肌を出すのをあまり良しとしないような女性たちは薄手のワンピースのままプールに入っています。

先日、打ち合わせをした雑誌社の女性が「私たち女性は、20代の頃は“これを着たい”と、欲望で服を着る。30代は“こう見られたい”と、見栄や抑制の中で服を着る。じゃあ40代は? というと、ここからが真の分かれ目だそうですよ」と、言っていました。

私の友人でとてもオシャレなアメリカ人女性がいます。4歳の男の子と2歳の女の子、0歳の双子のママです。しかし4人の子どものママとは思えないほど、いつもエレガントにアップヘアにして、ワンピースを着こなしています。 「いつもどうやって洋服を選ぶの?」と彼女に聞いたら、素敵な答えが返ってきました。「好きな人に会いに行ける服よ。大好きな人に会いに行く日の服を着ている自分が一番好きだから、それ以外は着ないわ」と。

誰かにどう見られるかじゃない。自分を隠すためでもない。「自分が好きな自分」を基準に服を選ぶって素敵だと思いませんか?

そこで質問です。

「自分が好きな自分って?」と聞かれた時、すぐに答えられますか? 思いどおりにならない毎日、悩むこともたくさんあります。考えないといけない課題も山積みです。自分が好きなことはついつい後回し…なんてこともあります。大人になると、なにかを我慢したり妥協したり、融通を利かせたりするのが自然とうまくなってきて、子どものために、家族のために、誰かのために、自分が100%好きなものを貫きとおすことは難しいと感じていませんか?

ですが、それを難しくしている原因は、もしかしたら私たちが勝手に感じている「周囲の視線」なのかもしれないなあと思いました。親や親戚の視線、会社の人たちの視線、友人たちの視線、どこかにいる見知らぬ誰かの視線。けれど、そんな周囲の視線に囚われずに好きなように過ごしたほうが、本当は快適なはずです。

もっと自由に! もっと身軽に! もっと解放的に! もっと「私! わたし!」と言ったり思うことがあっても、時にはよいと思うのです。だからこの夏は模範解答にこだわらない。ちょっとした冒険者になって、ほんの少しワガママに生きてみたいなと思っています。“ワガママ宣言”。これが私のこの夏のテーマです。

リサ・コミュニケーションズ代表 大網理紗

大網 理紗

リサ・コミュニケーションズ代表
世界の王室・皇室・政府要人といったVIP接遇業務に従事した後、全国アナウンスコンクール優秀賞、国際優秀賞受賞などの経歴を活かし、話し方&国際基準マナーのスクールRiSA Communicationsを設立。
独自のメソッドを開発しコミュニケーションスペシャリストの育成を行なう。大学、教育委員会、企業等で数多く講演。また、宮内庁・王室主催の舞踏会などで社交界の経験を積む。

著書
『人生を変えるエレガントな話し方(講談社刊)』
『大人らしさって何だろう。(文響社刊)』



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この記事のライター

話し方&国際基準マナーのスクールRiSA Communicationsを設立。国際基準マナー講師。

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