ジェーン・スーさん インタビュー<最終回> 人生折り返してからが楽しいってよ!【#FocusOn】

ジェーン・スーさん インタビュー<最終回> 人生折り返してからが楽しいってよ!【#FocusOn】

『私がオバさんになったよ』(幻冬舎)ジェーン・スーさんインタビュー!最終回は宇多丸さん、酒井順子さん、能町みね子さんとの対談について。対談中の意外なエピソードをお伺いしました。


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インタビュー 第一回 ▶
インタビュー 第二回 ▶


作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティとして活躍し、『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』がベストセラーにもなったジェーン・スーさん。

最新刊『私がオバさんになったよ』は光浦靖子さん、山内マリコさん、中野信子さん、田中俊之さん、海野つなみさん、宇多丸さん、酒井順子さん、能町みね子さんとの対談本です。本についてインタビューした最終回です。

宇多丸さん対談:学生時代の自分に修正をかけられた“嬉しい誤算”

――ライムスターの宇多丸さんは早稲田大学のソウルミュージック研究会「GALAXY」の先輩ですね。

そうです。私がこの世界に入るきっかけと言っても過言ではないですし、宇多丸さんと学生時代に知り合わなかったら私はこうなっていなかったと思うので、そういう意味でも恩人だと思います。

18歳から40幾つまで定期的にお互いの変化を見てきた人って、そうそういないじゃないですか。女友達はいると思うんですけど、会う頻度が多すぎて変化に気づかず「私たち老けないね」みたいになっちゃう(笑)

――そうですね。「変わらないねー」って変わってるんですけどね(笑)

年上で、しかも異性で年に数回しか会わない相手となると、変化がハッキリわかるんですよ。それで、お互いのこの20年の話をしようと思ったんです。お互いがお互いの事をどう見てたかって話は時間が経たないとできないじゃないですか。まさに今回がそのタイミングでした。思っていた自分像が多少修正されて楽しかったです。

――なるほど! 修正されるって面白いですね。

例えばですけど、「私は暗い性格で学生時代は本当に鬱屈とした日々を送っていた」という自認があったとしても、はたから見ると「全然そんな風に見えなかったけど!」となるかもしれない。今回、宇多丸さんと話をして、その手の誤算が見つかったんですよね。

――嬉しい誤算だったんですね。

本当に! 「なんだ、私そこそこ楽しんでたんじゃん」って(笑) ギャラクシーでの活動はとても楽しかったんですが、やっぱりなんか異形感というか「自分はちょっと輪にハマれてないな」っていう…自分はギャラクシーにハマってるけど、場にはハマれてないんじゃないかって記憶があったんです。けど、全然そんなことなかった(笑) 「なんだ良かったね、大学時代の私!」っていう。

――宇多丸さんとの関係性は同じ業界でお仕事をするようになって変わってきましたか?

基本的には変わっていないと思います。同じTBSラジオでパーソナリティの仕事をしているので、話しかけやすくなった、というのはあるかもしれないです。けど昔からすごく気を使ってくれる人だったから…。偉そうぶるとかは昔からまったくなかったです。

ただ、宇多丸さんに「コイツつまんないな」と思われたくないっていうのはみんなあったと思いますよ。

――今でもそうですか?

それはある! 「つまんないな」とか「考え浅いな」とか思われるのは恐怖ですね。

酒井順子さん対談:文系かと思いきや運動大好き! 卓球は家庭教師をつけるほどの本格派

酒井順子さんは“マーガレット酒井”としてオリーブで書いていらっしゃった時代から特別な高校生でしたよね。泉麻人さんと連載をもっていらっしゃったり。なのに自己顕示欲が強いわけでもなく、『負け犬の遠吠え』というベストセラーを持ちながら、その後の執筆もズーッと定期的に休まず続けている。並大抵の努力じゃできないことだと思っていて。そのコアマッスルはどこから? って思っていました。

それが今回の対談で、職業として「常に70点以上を成果として出していく」という書き手の矜持を酒井さんから教わりました。お互いの家族の話ができたのも良かったです。酒井さんのご家族のお話って、されているところにはされていると思うんですが、そんなに表に出ていない気がして。うちは父親が、酒井さんは母親が破天荒で。

――そうですね。スーさんは父親で酒井さんは母親。

ええ。とことん親を甘やかしてあげたい理由、酒井さんが子ども心に親に対して思っていた気持ち、私はどちらも知りませんでした。40代半ばも過ぎてからお母さんにかけられた一言が嬉しかったって話とか…。

――「そういう思いか」って思いました。

40代半ばでも50歳を過ぎた今でも、そういう気持ちってあとから回収できるんだって思いました。

――酒井さんは淡々と面白いというか…普通なのか普通じゃないのか…?

おばあちゃんぽいってご自分で仰ってましたよね(笑)。

――酒井さんは運動がすごくお好きなんですよね。

そう! 文系に見えて実は学生時代から運動を続けていらっしゃる。卓球は家庭教師をつけているって尋常じゃないですよね。カラダの通りを良くして、心身のバランスが悪くならないようにしているんだろうなとも思います。

――対談の中でスーさんは週末養子縁組に興味があると仰ってましたね。何かきっかけがあったんでしょうか?

辛い事件が報道されるなかで、自分にしかかまけていないことが後ろめたくなったんだと思います。週末だけでもそういう場に行って何か自分にできることがあれば…と思ったんですけど、酒井さんにそこはピシャリと(笑)

――エアー子育てですね(笑)

そうです。「そういうのは一時の感情で終わるぞ!」って。「先輩ありがとうございます」となりました。自分が社会の役に立ちたちたいという、ある意味、利己的な感情だったんだと思います。

ただ、「あなたが2歳の時はこうだった」「あなたが5歳の時はこうだった」と、継続的に自分を見続けてくれる存在がいないのはやっぱりどうかな、とは思っていて。施設だけで育つと、職員の異動や退任があるので、子どもの頃の自分を誰も知らないという事態が起こることもあるそうです。そういう話を聞くと、自分にできることがあるならやった方がいいんじゃないかとも思います。親やきょうだいがそばにいれば、生まれてからどんな風に変化していったかを誰かが知っているものですよね。でも、親の事情でその当たり前が享受できない子たちがいるなんて、そんな悲しい話あるかよ、って思います。

能町みね子さん対談:共通の話題がまったくないと思ったら一番ニッチな“パートナーとの関係”が同じ!

――能町さんは今回の対談で初めてお話しされたんですよね。なぜ話しをされたいと思ったのですか?

能町さんに興味があって、ずっと存在が気になっていたんです。あと、ラジオのパーソナリティをして執筆もする女性がそんなにいないので、同じフィールドにいるなとも思っていました。

能町さんには「なんで私なんだ。最終回なのに」と不安を抱かせてしまったようで申し訳なかったんですけど(笑) 私としては、話してみたいなら躊躇してる場合じゃないなと思って。でも、 “この話題なら盛り上がれるだろう”という見当はまるでついていませんでした。実際、話してみたら案の定ウケるレベルで共通点がないって言う(笑)

――でも結局…(笑)

そう、共通点があったんですよね。パートナーとの暮らし方が一緒だった。まさかこの一番ニッチなところが同じだったとは! って。パートナーとのことを人に話すときは、だいたい笑い話になるんです。だけど、「笑えないところもあるんだよな、実は。でも伝わらないよな」と消化不良もあって。「笑えるけど笑えない」部分に共感してくれのは、どちらかといえば専業主婦の妻がいる男性です。だから“オジサンの気持ちが分かるオバサン”って自称しているんですけど(笑) 女性でこの気持ちを理解してもらえる人がいたのが嬉しかった。


――能町さんとパートナーとの暮らしで似ているところはありましたか。

どちらの家も、パートナーが家事の担い手なんですね。相手の家事にリクエストがあっても、「こうして欲しい」と伝えるのはものすごく難しいという点で共感しました。やってくれているのだから、注文を付けるのも申し訳ないな、と。イーブンにやっていたら言えるのかもしれないですけどね。

――しかし完全にイーブンにするって難しいですよね。

難しいと思います。基本的には“精神的、経済的に自立しているふたり”であるということが、この歳から始めるのであれば必要なことなのかもしれません。

――スーさんが田中さんとの対談で結婚を「倒産しない前提の会社をふたりで回している」と仰っていてなるほどなと思いました。

そうですよね。結婚してから「それでなんでこの人選んだ?」となる人もいるんでしょうね。

――ものすごくありますね(笑) となると結婚てなんだろうってなっちゃいますね。

株式会社じゃないですかね。M&Aですよ(笑)


――だったらもう自立したもの同士、結婚という制度の中に入らずに存在し合った方がいいんじゃないか、とか。

ただね、うちの父親は違うんですが、世の中にはまだまだ「子どもの結婚がなによりの楽しみ」という人もいらっしゃいますからね。そういう親を喜ばせるために籍を入れることの何が悪い? とも思うんです。

――“ただし”ってことですよね。親は先に死ぬし…

その後も人生は続くわけですからね。でも、私も特別なイデオロギーがあって非婚なわけではないんです。なので、何かのタイミングで籍を入れたりすることはあると思います。

40代の私をアップデートできるかもしれません

――最後にBramanoli読者にスーさんから『私がオバさんになったよ』の読みどころをお願いします。

結果的に、8名の方とお話をすることで40代の私がアップデートしたと感じたので、同じ体験をしてもらえる人がいるかもしれないと思います。

――8名の方との対談の思い出と、ご自身が“いま”感じていることを真摯に、そして丁寧にお話くださったジェーン・スーさん。40代の自分に生きづらさを感じていたり、迷ったり、寂しい思いをしていることがあるのなら、『私がオバさんになったよ』(幻冬舎)を、ぜひ読んでみてください。

文/和氣 恵子、撮影/鈴木 志江菜

プロフィール

ジェーン・スー
1973年、東京生まれの日本人。コラムニスト、ラジオパーソナリティ。
現在、TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」のMCを務める。
『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』で第31回講談社エッセイ賞を受賞。
著書に『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』、
『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』、『生きるとか死ぬとか父親とか』などがある。

私がオバさんになったよ

¥ 1,512

人生、折り返してからの方が 楽しいってよ。 考えることをやめない。 変わることをおそれない。 間違えたときにふてくされない。 ジェーン・スーと、わが道を歩く8人が語り尽くす「いま」。



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