「妻の予定は後回し」で平気な夫
たとえば、「○○日、お墓参りに行くからね」と夕食のときに話し、夫も「わかった」と答えていたのに、当日になると「今日は出勤する」と仕事に行ってしまう。また、「木曜日は残業で遅くなるから、洗濯物入れておいてくれたら助かる」とあらかじめ伝えておいたのに、いざ帰宅すると何もしていないし「遅くなるなら連絡しろよ」となぜかご立腹。こんな態度に心当たりはありませんか?
「ちゃんと伝えたじゃない!」と言っても、「そんな話したっけ?」「聞いてない」など、妻の予定を後回しにしてしまうのは、その重要性がわかっていないからです。お墓参りも残業で遅くなることも、妻は大切なことだと思うから早めに言うのに、夫にとっては「自分の用事が最優先」「そのときに考えればいい」程度のもの。いざ当日になって妻の怒りを見せられても、「それならもっとわかるように言えよ!」など、「忘れていた=大事なことだと思っていない」自分を正当化します。
確かに、妻や家庭より優先しなければいけない用事もときにはあるかもしれません。ですが、問題なのは「妻の予定を軽く見ている」姿勢です。こんな夫には、まず「口約束で済まさない」ことが大切。
それでは、「あなたも無関係ではない」ことを理解してもらうためには、どう伝えれば良いのでしょうか。
繰り返し言うよりカレンダーなどに大きく書いておく

「ねえ、この間の話だけど、○○日は空けておいてね」と何度も言われてしまうと、夫は「うるさいな」と反発します。「忘れるから言うんじゃない」と思っても、妻から何回も確認されると嫌気がさすのですね。
まず、必ずしなければならない大切な用事は、伝えた後でカレンダーに見やすく書いておくことをおすすめします。キッチンやリビングなどにカレンダーがある家庭は多いと思いますが、「印をつけておいたから」と伝えてしっかり書き込んでおきましょう。これは、「忘れていた」言い訳を防ぐために有効です。誰でも目につくところに書いておけば、夫も嫌味なく覚えていられます。
もしカレンダーがない場合は、紙に書いて貼っておくだけでもOK。要は夫の意識に予定が届けば良いので、「必ず目に入るところ」に文字で残しておくことを忘れずに続けましょう。
今は家族で予定を共有できるスマートフォンのアプリもありますが、忘れないためにはやはりアナログな手段が一番です。カレンダーの書き込みで「見栄えが悪い」などと文句を言われたら、「これが一番わかりやすいでしょ」「私も忘れたくないから」と返しましょう。
言いっぱなしではなく尋ねることで意思を確認する
急に残業が決まって、いちいち書き込んでいられないときもありますよね。「明日は遅くなるから、子どものお迎えよろしくね」と夫に言っても聞いているのかいないのか…すっぽかされたら大変です。
そんな時、夫の意思を確認するには、言いっぱなしにするのではなく「明日は残業で遅くなるんだけど、子どものお迎え行ける?」と尋ねることが肝心です。「行けると思う」なら「お願いね」で良いし、「俺も遅くなりそう」なら何時に行けるか話し合うことができます。
一方的に言われるだけだと意識に残りづらくなります。意思を確認するのは、答えることで夫も覚えやすくなり、また「自分も無関係でない」ことを理解してもらうため。「駐車場が狭いから気をつけてね」「先生から伝言があるかもしれないから、挨拶してね」など、情報を伝えておけば夫もスムーズに動けます。
大事な予定は必ず夫から言葉をもらうこと。言った言わないの水掛け論を避けるには、夫の意思を確かめる姿勢を忘れないことが重要です。
自分も質問することで関心を伝える
逆に夫から「明日は遅くなるから」と言われたら、「夜食はいる?」「お風呂を用意しておくけど、帰りは何時頃になりそう?」など、夫を迎えたい気持ちを伝えましょう。質問することで夫も自分の用事が妻にとって無関係でないことがわかり、コミュニケーションが楽しくなります。
妻の予定を後回しにしてしまうのは、それが自分にとっても大切であるということを気が付かないのが原因である場合がほとんどです。何度も口にすると嫌気がさすので、伝えるときには必ず夫から返事をもらうこと、そしてカレンダーなどに書き込んでおくことを続ければ「自分も参加する」意識を育てることができます。
また、夫の用事もしっかりと把握したいと思っている姿勢を見せましょう。「あなたの実家の帰省だけど、○○日で大丈夫?」と予定を確認すれば、「じゃあ前の日にお土産を買いに行こうか」「持っていくものを書いておくね」と会話が進み、ポジティブに当日を迎えられます。
妻や家庭の用事は、みんなで共有するもの。夫がその意識を持ってくれれば、毎日はもっとスムーズに進みます。夫の受け止めやすさを考え、より楽しくコミュニケーションがとれるやり方で、日々の予定を管理していきましょう。
幸せ夫婦コラムニスト ひろた かおり
「自分の人生は自分で決める」がモットー。難病の自分を支えてくれた夫との生活が幸せに続くように、と強く心に誓い日々を生きる。