【#FocusOn】マインドフルネスで健康寿命は延ばせる! 医学博士 山下あきこさんインタビュー<第二回>

【#FocusOn】マインドフルネスで健康寿命は延ばせる! 医学博士 山下あきこさんインタビュー<第二回>

第一回で、なぜ株式会社マインドフルヘルスを設立したのか山下先生にお話しいただきました。今回はマインドフルネスで健康寿命が延びる、と言うお話です。インタビュー第二回目です。


自分のカラダとココロの状態を観察することからすべては始まる

前回の記事はこちらから

高齢者が要介護になる理由の第一位は何だと思いますか?

――うーんなんでしょう? 癌ですか?

心筋梗塞などの心臓病なんです。そして第二位が肺炎

――え! 一位はなんとなく理解できますが、二位は肺炎ですか…意外です。なぜ肺炎でなくなってしまうのですか?

そもそも、肺炎になる前に脳梗塞などで入院したりしていて、体力が落ちているところに肺炎になってそのまま…というケースや、肺炎で入院しているうちに足腰が弱くなってしまって、徐々に体力がなくなって…とか。

――要介護の第三位はそうなると脳梗塞ですか?

そうですね。そして、四位は腰痛です。これも腰が痛くて歩けなくなって、体力がなくなって…ということです。マインドフルネスの骨子となっているのは、「自分の状態に気が付く」ということなんです。今、自分がどういうカラダの状態にあるか、どんな感情をもっているか、どんな欲求を持っているか、どんな呼吸をしているか、それに早めに気が付くと、カラダとココロの状態を整えることができるんです。それには瞑想がすごく役立ちます。私たち人間も含め動物にはそれぞれのカラダに適した臓器を動かす心拍数というものがあります。

――あ、TVで亀の心拍数がものすごく少ない、というのを見ました。だから長寿なのだと。心拍数が少ないから長寿なのではなく、それぞれ適した心拍数があるということですか?

ええ、例えば鶴も長寿ですが、鶴の心拍数はすごく多いんです。心拍が多いとその分多くの活性酸素が発生しますが、鶴は活性酸素を分解できる仕組みを持っているので長生きできます。一方亀は活性酸素をうまく分解できないので心拍が少ないと考えられています。それぞれの動物の体の仕組みにあった心拍数で動いているんです。人間も緊張やストレスが多い環境に長期間さらされていると、心拍や血圧が上がります。それが正常な臓器を侵してしまうんです。マインドフルネスで心身の状態を整えていると、自律神経やホルモンバランスが整い心拍や血圧、血糖値も整いやすくなります。つまり、巡りがよくなって心臓も脳も詰まらない。ひいては健康寿命を延ばすことができる、というわけです。

――なるほど…なんだか分かってきた気がします。そもそもなぜ脳の血管が詰まったりしてしまうんでしょうか?

慢性的に目に見えない状態で細胞が炎症を起こしていて、それがずーとくすぶり続けているとだんだん血管が細くなっていって詰まりやすくなってしまいます。

――原因はなんでしょうか? 食事ですか?

食事もそうですし、他にもいろいろな原因が考えられます。ストレスも原因の一つです。さっきお話したようにカラダがストレスを感じると活性酸素を出して細胞を攻撃してしまうんです。そういう悪い活動をしているものをマインドフルネスで抑えることができることが分かっています。がん細胞の増殖を抑えられるともいわれています。

ポイントは自分のカラダの“状態”に意識をむけること

――ストレスは万病の元ともいいますが、そんなにカラダに影響があるなんて…恐ろしいですね。しかしマインドフルネスでがん細胞も抑えられるとは驚きです。自分のカラダの状態に気が付く、というのは具体的にどうしたらいいのでしょうか?

とってもシンプルです。例えばお腹が空いたなあと思ったら「どのくらいお腹が空いているの? 何を食べたいと思っているの? それを食べたらどうなる?」と。考えるんです。お腹が空いてもいないのに、なんとなく口寂しいからお菓子などを食べていたりTVなどを見ながらダラダラ食べ続けたりすることがありますよね。そういう時は「お腹が空いた」ということについて何も考えていないんです。それどころか、三食食べておやつを食べる、という習慣がついてるから、その通りにしているだけ、という場合もあります。そうではなくて、「お腹が空いた」という状態にしっかりと意識を向けて、それについて考えることが大切です。

――うーん…耳が痛いです。しかし、「それを食べたらどうなるか」というところまで考えるんですか! いつも欲求のままに食べていました(笑)

そうなんですよね。そもそも人間の脳は“報酬型”でできています。“報酬型”とは「○○が欲しい」と思った時にそれを手に入れられたら「幸せ」と感じる思考のことです。ですが、本当はそうではないんです。例えばストレスを感じてチョコレートを大量に食べてしまった場合、その時点では満足かもしれません。ですが次の日、食べ過ぎで胸やけがしたり肌が荒れたり、お通じが悪くなったりしてしまったらどう思いますか? その状態は幸せでしょうか? 正直、気分が悪いですよね。幸せではないわけです。つまり、「食べたい!」という欲求のままに行動することが幸せである、と思い込んでいるだけで、その先のゴールに目を向けて考えれば、悪い状況にはならないんです。

――確かにその通りですね…しかし、欲望に負けてしまいそうなときはどうしたらいいのでしょうか。

もちろん報酬型の脳のスイッチをいきなり変えることはできません。トレーニングをしながら徐々に徐々に変化させていくんです。欲求が強い時は自分と折り合いをつけます。「甘いものがどうしても食べたいのね。何がどれくらい食べたい? 甘いもののなかでも食べて罪悪感を感じないものはなに?」と考えてみたきちんと自分の欲求に向き合って解決策を考えていると、衝動的に沸いた欲求も少しは落ち着いて、自分の決定に納得するようになります。そして、ここで大切なことは自分の中で折り合いをつけて、実行した時に「ああやっぱり食べちゃうなんてダメな自分」などと思わないことです。自分が出した結論や選択はすべていいことで、肯定すべきことなんです。

――なるほど! 少し話は変わりますが、例えば、ネガティブな考えに囚われて頭の中がいっぱいになってしまって、そこから逃げ出せない時はどうしたらいいですか? 連載でも書いていただきましたが、改めて教えてください。

ネガティブな感情って、追い出そうと思えば思うほどそこに居座り続けるんです。追い払おうとすればするほど、頑固にそこにい続ける。なので、「ああ、今わたしはこういうことを考えているんだな」とまずは受け入れることです。「いらっしゃいネガティブさん」と、招き入れてあげて、存在を認めてあげる。そして、ネガティブなことを考えている私を観察する。前もこの考えが頭から離れなくなったことがあったな、それはどんな時だっけ? なんでその発想が出てきたんだっけ? と、その思考になった時がどんなだったか、前後にわたって眺める。そうすると、そんなことを考えていうちに捉われていたネガティブな感情がいつの間にかいなくなっています。さらに、これを繰り返していくうちに自分がそういうネガティブな考えになりそうな時がわかるようになります。すると自然とそういう方向に思考が流れそうになったら路線変更ができるようになるんです。

――奥の深いマインドフルネスの世界ですが、山下先生のお話はすごく分かりやすい!トレーニングをしていけば、自分もそうなれるのか…というか、そうなりたい。暴飲暴食をなくしたい、ネガティブな思考に囚われたくない…。次回は“思考のクセに気が付くと他者とのコミュニケーションも円滑になる”というお話です。第三回に続きます。

文/和氣恵子、撮影/鈴木志江菜

山下あきこさん
1974年佐賀県生まれ。医学博士、神経内科・内科医師。診療や研究を行う中で、高齢になっても自分らしく生きるための方法を模索し続けてきた。2016年に健康習慣を身につけるサービスを提供したいと考え、株式会社マインドフルヘルスを設立。主に健康や自己実現に関するセミナーや研修を企業や一般向けに行い、行動変容を促すスキルと正しい知識を提供している。マインドフルネスVRを楽しめるスマートフォンアプリの開発・配信も手がける。
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