【#FocusOn】二人目を出産し自分の働き方改革をしなければいけないと感じた。医学博士 山下あきこ先生インタビュー<第一回>

【#FocusOn】二人目を出産し自分の働き方改革をしなければいけないと感じた。医学博士 山下あきこ先生インタビュー<第一回>

“マインドフルネス”という言葉も市民権を得たかのように感じる今日この頃。美容のためストレス解消のため、仕事の効率アップ…など様々な角度からマインドフルネスが論じられていますが、Bramanoliでマインドフルネスについて連載していただいた医学博士の山下あきこ先生が「株式会社マインドフルヘルス」を立ち上げたのは2015年。そこにはいったいどんな思いがあったのか? お話を伺いました。インタビュー第一回目です。


育児との両立、お薬を渡すだけの日々に疑問を感じた

――こんにちは! オンラインで打ち合わせなどをさせていただいていますが、お会いするのは初めてですね。本日は企業研修の講師のお仕事で福岡からいらしたとか。

そうなんです。先週も来ていました(笑)

――それはマインドフルネスを仕事に役立てる…というような研修ですか?

はい。ある年代の方々に向けて、役職別などではなくて…。

――そういった需要はここ最近増えてきていると感じますか?

そうですね。過労死や鬱からの自殺など、企業が直面している問題は多いですから、そういう状態にならないための取り組みとして増えていると思います。

――先生が株式会社マインドフルヘルスを立ち上げたのは2015年ですよね。まだ今のように「マインドフルネス」は世間で知られてはなかったと思いますが、そもそも先生はなぜ会社を立ち上げようと思ったのですか?

一番大きかったのは、二番目の子どもを産んで復職した時のことです。小さな子どもをふたり抱えながらフルタイムの勤務はとてもきつくて。保育園に朝7時半に預けてお迎えの時間がきたら帰ってふたりのお世話をして、寝かしつけて、家事をして、それからまた仕事をしたりして。子どもとの時間が欲しいのに、ぜんぜん取れない。毎日毎日ヘトヘトで家庭の中はギスギスしているし、全然幸せじゃないなって。これは働き方を変えなきゃいけないってそう思ったんです。

――お子さんは年子とのことですが、本当に大変だと思います。まさに息つく暇がない…。

ええ。しかも保育園から病院まで車で5分ほどの距離だったので、ひとりでゆっくり考え事をする時間はなかなか取れませんでした。

――嬉しいような…辛いような…。働き方を変えるとなると時短勤務にするなどを思いつきますが、なぜ「会社設立」だったのでしょうか。

ちょっと話は前後してしまうんですが、私は生活習慣病の医師として20年近く働いてきました。病院には病気になった人たちが来ます。そして、薬をもらって帰っていく。薬をのむと状況は改善します。ですが、薬を飲まないとまた悪くなります。それはなぜかというと、根本的な原因を治療してないからなんですね。お薬をのむだけでは対処療法でしかない。くすぶっている悪いところに蓋をして見ないようにするだけ

――なるほど。

だんだん自分がお薬を渡すだけのマシーンのような感覚になってしまって。患者さんは一日に何人もいらっしゃるからゆっくり相談にのる時間もない。これじゃいけない、根本的に何かがおかしいってずっと思っていました。さらに、私は元々高齢者福祉をしたいと思っていたんです。

母が老人ホームで看護師をしていたので、小さなころから出入りをしていてお年寄りと接する中で、元気なお年寄りが増えたらいいなあと思っていました。それなのに、当時の私は元気なお年寄りを増やす活動どころか、薬を渡す人になってしまっている。お薬を飲むだけの状態を続けていては元気に年を取ることはできません。自分がやりたいことと違う仕事をし続けているということにも悩みました

――そんな時にマインドフルネスと出会った?

そうですね。それもありますし、私は脳神経外科医でもありますから、脳や運動や栄養や様々なアプローチから健康に年をとるメソッドを作れないかと思ったんです。それには会社をつくって、体系化するのが良いだろうと思いました。

働き方について考えた時に、「私から医者を取り上げたらどうなるんだろう?どんな仕事ができるんだろう?」ってすごく悩みました。結局、医療の現場でしか仕事はできないのかなあ…と思った時に、大学時代の恩師の「医者の仕事は診療だけじゃない」という言葉を思い出しました。それで私は医療の現場で人を助ける仕事ではなくて、病院に来なければいけない人をひとりでも減らす仕事をしよう、人が幸せに健康に生きられる仕事をしようと思ったんです。

――そうだったんですね。マインドフルヘルスで指導される内容と言うのは具体的にどんなものなのでしょうか?

栄養、睡眠、運動、心理学の面からアプローチしたメソッドになります。

――日常的に取り入れられることですか?

もちろんです! すべては生活習慣なんです。それを整えれば色々変わってきます

マインドフルネスで大切なのは「生活習慣」

――先生には何度も教えていただいているのですが、イマイチまだマインドフルネスというものがピンときていないんです…(笑)

わかります。とても抽象的ですよね。ともするとスピリチュアルの世界なの? と思われてしまう…研究論文もたくさん出ている科学的なものなんですけどね。マインドフルネスの中でも大切なもののひとつである瞑想も、ちょっとスピリチュアル的な部分もありますしね。

足を組んで何分以上しなければいけない、とか言われるとめんどくさそうって思ってしまう部分もありますよね。本当はどこでもできる簡単瞑想なんていうのもあって、それをするとしないとでは全然違ってきます。いろんな方法がありますけど、やっぱり一番大切なことは生活習慣で、それが自分の思考やカラダの不調、仕事の効率、人間関係などすべてに繋がっていきます

――うーん。また壮大になってきて混乱してきました(笑)例えば、それまで生活習慣がものすごく乱れていた人がマインドフルネスを取り入れて生活習慣を改善して健康寿命を延ばす!なんてことはできたりするのでしょうか。

できます。それは証明されているんです

――まだまだマインドフルネスのすごさについて理解できませんが、なんとなくやっぱりすごいものなんだろうな、と言うことがわかってきました…。次回、二回目はなぜマインドフルネスで健康寿命を延ばすことができるのか? と言うお話です。

文/和氣恵子、撮影/鈴木志江菜

医学博士、神経内科・内科医師 株式会社マインドフルヘルス代表
山下あきこさん

1974年佐賀県生まれ。医学博士、神経内科・内科医師。診療や研究を行う中で、高齢になっても自分らしく生きるための方法を模索し続けてきた。2016年に健康習慣を身につけるサービスを提供したいと考え、株式会社マインドフルヘルスを設立。主に健康や自己実現に関するセミナーや研修を企業や一般向けに行い、行動変容を促すスキルと正しい知識を提供している。マインドフルネスVRを楽しめるスマートフォンアプリの開発・配信も手がける。
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