【#FocusOn】『子どものいない人生を考える会』主宰・朝生容子さんインタビュー<第一回>

【#FocusOn】『子どものいない人生を考える会』主宰・朝生容子さんインタビュー<第一回>

Bramanoliでアラフォーのキャリアについて連載いただいたキャリアカウンセラー朝生容子さん。2014年にある出来事がきっかけで『子供のいない人生を考える会』という会を立ち上げFacebookなどで活動を続けていらっしゃいます。いったいなぜ、この会を主宰しようと思ったのか。朝生さんご自身の体験も含めお話を伺いました。その第一回目です。


「子どものいない私」は蚊帳の外。存在していないのと同じなの?

――『子どものいない人生を考える会』を立ち上げたきっかけを教えていただけますでしょうか。

2014年に、ある大手メディアのダイバーシティに関するシンポジウムに参加しました。そうしたら、その主なテーマが『子どもを持つ働く女性』を対象にしたものだったんです。少しだけ外国人労働者に関するものもありましたが、ほぼ全体が働くママを対象にしたものでした。

その場にいた私はなんというか、ものすごい疎外感…それまでずっとモヤモヤとした気持ちを抱えて生きていたのですが「やっぱりそうか」という思いが沸いてきたんです。

――「やっぱりそうか」というのはどういった感情だったのでしょうか?

それまでも子どものいない自分は宙ぶらりんな存在だな…とは感じていたんです。私は子どもが欲しくて妊活をしたのに授からず途中で妊活を止めたので、“子どもがいない”という自分をポジティブに捉えていたわけではなかった。そのなかでそのシンポジウムに参加して、なんだか自分がいないもの…透明な存在になった気がしました。

――なるほど…4年前とはいえダイバーシティをテーマにした大手メディアのシンポジウムがほぼ働くママ一色というのには違和感を抱きますが、働くママを応援しようという風潮が世間にあったんでしょうかね。

男女雇用機会均等法世代の私たちは、男性並みに働くことが求められたこともあり『子どもがいる』ということは、キャリアの妨げになると考えがちでした。ですが育休取得が一般的になって子どもをもって働く女性は珍しくなくなった。さらに女性活躍推進が法制化された今は、子どもを持ちながら働いていることそのものが評価されることもあります。そういう風潮は私たちの世代ではありませんでした。

――たしかに今の社会はそういった空気感がありますね。結婚して働いて子どもがいるのが良い、というような。

『負け犬の遠吠え』(講談社文庫)著者の酒井順子さんが『子の無い人生』(KADOKAWA)という本の中で、「人生を左右するのは“結婚しているか、いないか”ではない、“子供がいるか、いないか”なんだ」と書かれていたのですが、本当にその通りだなと思いました。女性にとって子どもが“いるか”“いないか”はものすごく大きい。男性と比べてですが。

――男性は独身でも子どもがいてもいなくても出世などにはあまり関係ない気がしますね。

女性に関して言えば、子どもがいる人でも、仕事に強くやりがいを求める人もいる。一方で、子どもがいないからと言って、必ずしも仕事にやりがいを求める人ばかりではない。家庭生活を大事にする人もいる。私は仕事の優先度合いはかなり高めですが…。まあ、それがダイバーシティじゃないかなと。そういう自分のモヤモヤした思いを発信して同じように感じている人たちと共有したいなって思ったんです。それが『子どものいない人生を考える会』を立ち上げたきっかけです。

――朝生さんの周りには子どものいない女性は多いですか?

そうですね。もちろん子どもがいる友人もいますよ。でもやっぱり都合が合わなかったりして頻繁に会うことはなくなりますね。その結果、子どもがいる友人よりも、やはり同じような境遇の友人たちとよく会うようになります。

――朝生さんの周りにいらっしゃる同じような境遇の女性たちと朝生さんが感じていたモヤモヤとした思いなどを話したりはされなかったのでしょうか?

まだ子どもを産む可能性のある年齢の頃は「子どもどうしようか」といった話も時折出ましたが、40代半ばをすぎてからは特にトピックとして取りあげるということはなかったですね。

先ほどのシンポジウムをきっかけに、何か発信しようとしたときに思い付いたのがFacebookでした。当時Facebookページを作るのが流行っていて、気軽にできそうだし、ブログなどに比べてWEBサイトを作るといった投資も必要ないし気負わずにできそうだと思って始めてみたんです。

――どんな内容を発信しようか決めていたんですか?

いえいえ、本当に気楽にスタートしたので全然。テーマにそったトピックを紹介していくような…メモ代わりのような感じですね。ただ、私は44歳の頃に出産することを諦めたんですが、その時に今まで味わったことのないものすごい挫折感を感じたんです。その時の私と同じような思いをして苦しんでいる人たちの助けになるようなことができたらいいなとも思っていました。

――朝生さんは会社でフルタイムでバリバリ働かれていて、忙しい仕事の合間に妊活の治療をするのは大変じゃなかったですか?

物理的にも精神的にも大変でした。営業職だったのですが、通院しようとした日に仕事のアポが入ってしまって行けない…なんてことはよくありました。病院の予約を客先ビルのトイレでこっそりかけたり…。限界を感じて内勤にしてもらって一年ちょっと妊活を続けました。営業職の時よりはカラダや精神の状態は良かったのですが、それでもやっぱりストレスからかなかなか望む結果が得られず…。

――仕事を辞めて妊活に専念することは考えなかったのでしょうか?

もちろんそれも考えました。でも不妊治療ってすごくお金がかかるので、収入は多いに越したことはないと思いました。それにやっぱり、妊娠しなかった時に仕事に復帰したいと思っても年齢的に雇ってくれるところがあるかどうかわからない、ということが大きかったです。

妊活をやめたのは、精神的に疲れてしまったのと、高齢出産によるリスクを考えてのことです。年齢が高くなると、その分、子どもが先天性の疾患や障がいを持って生まれる確率が上がりますよね。夫婦で話し合って、そのリスクは避けたいという話になりました。それでもうここが止め時かな…と。ものすごく子どもが欲しかったのか、と聞かれるとそこまででもなかったのかもしれません。

それで、47歳の時に自分の働き方を見直そうと思って独立したんです。

――ハードに働きながら妊活を続け、結果、出産を手放した朝生さん。その後、朝生さんが感じ続けていることとは。第二回に続きます。

文/和氣恵子

キャリアカウンセラー
『子どものいない人生を考える会』主宰
朝生容子さん

新卒で、1988年に大手通信会社に入社。営業所窓口を皮切りに、人材開発、マーケティング等に従事。1993年に会社の同期と社内結婚。 1999年に社会人向け教育機関に転職。企業研修部門において 法人向け営業を担当。 不妊治療の失敗や仕事上の挫折をきっかけに、 自分のキャリアを見直す。2012年にキャリアコンサルタント・研修講師として独立。現在は社会人のキャリア相談に乗るほか、セミナーや研修講師、執筆等に取り組んでいる。

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