【#FocusOn】「不妊治療は夫婦二人三脚で」 女優・加藤貴子さんインタビュー<第二回>

【#FocusOn】「不妊治療は夫婦二人三脚で」 女優・加藤貴子さんインタビュー<第二回>

昼ドラ『温泉へ行こう』に主演し人気を博した女優の加藤貴子の妊活体験をまとめた『大人の授かりBOOK』(ワニブックス)が出版されました。女優・加藤貴子さんへのインタビュー二回目は「月を見上げて泣いた夜」のお話です。


著書「大人の授かりBOOK」を出版しようと思った理由

前回の記事はこちらから

―今回、本を出版されようと思った理由はなんでしょうか?

…うーん…正直に言うと…妊活中に他の人が出産した話なんか聞きたくないんですよね。嫉妬の気持ちやいろんな醜い感情がどうしても沸いてきちゃう。その感情とわざわざ対峙しなくちゃならないから、しんどいんですよね。けれど、そのしんどい事とどうやって付き合ったのか、ストレスの軽減になったのか、私の体験談を “知りたい”と思ってくださる方がいらっしゃったら、これを読むことで少しでもお役に立つことがあるのなら、と思って書きました。

ブログで不妊治療で辛かった時のマイナスな感情を書くと、同じように不妊治療で辛い思いをしている女性たちからたくさんコメントをいただいたんです。それで私自身がとても救われたんですね。なので、気持ちや体験を共有することで救われる人がいるなら、書きたいなって。あ、それでこれは妊活の指南本じゃなくて体験記となっています。これを読んで一人でも多くの人が「私だけじゃないんだな」ってマイナスな感情を抑え込まないでもらえればいいなと。

あともう一つは、主人が男性不妊であるとブログに書いた時に「実は自分の夫もそうです。でも、誰にも言えません。おかげで姑からはあんたのせいで子どもができないって責められています」っていうコメントが来たんです。当時、まだあまり男性不妊の事は知られていなかったので、もっと世の中に認知されたらいいなと思って赤裸々に書くことにしました(笑)

―それをOKしてくれるご主人の懐の深さを感じます。

先の見えない不妊治療は、一人で抱え込むにはあまりにもしんどい道のりだと思います。ぜひご夫婦で協力して取り組んでいただきたいと思います。

私、不妊治療をして本当によかったなって思えるのは、あれだけ辛い経験を主人とふたりで乗り越えたんだから、もうこれから何があっても大丈夫だ! って糧になったことです。だから不妊治療をするのは子どもを授かるためなんですけど、夫婦の絆を強くして、なんでも力を合わせて立ち向かえる強いパートナーシップを築くための過程だとも思います。

不妊治療は子育てのウォーミングアップ

―本当にそうですね。出産したら今度は子育てという大きな仕事が夫婦には待っていますからね。

そうなんです! 子育てって本当に大変。日々痛感していますけど(笑)それこそ夫婦が協力して分かりあってコトに当たらないと大変なことになる。だから、不妊治療は子育てのウォーミングアップ、序曲だとも思います。妊娠しない失望感も一緒に味わって寄り添って努力してきた夫婦は“育む”土台ができると思うんです。すでに二人三脚で成し遂げたことがあるんですもんね。

月を見上げて泣いた夜。初めて自分を認めてあげようと思った

―言葉にすると、とても簡単というか、楽なことのように思いますが、ご著書を読むとそれはもう壮絶な体験を加藤さんはされていて、それをご主人は本気で支えて、加藤さんの暴言のサンドバッグにもなっていらっしゃった。

はい(笑)本当に自己嫌悪に陥るほど、主人に暴言を吐いたりした時もありました。でもどんなにケンカをしても主人は絶対に部屋から出て行かないんです。で、私が出ていくんですけど(笑)そしたら追いかけてくるんですよ。「解決するまで話し合う!」って。私が「明日朝早いから寝かせてー」って言ってもダメ(笑)

―すごい(笑)

女の人が何か言う時って感情を出したいだけじゃないですか。でも男の人って解決しようとするんですよね。大切に思っている相手であればあるほど、真剣に解決したい、と思うみたいで。「物理的にどうすればいいの?」とか言ってくるんですよ! こっちは解決してほしいわけじゃないのに! それでさらにイライラして全然関係ないところからのイライラも出てきたりしてギャンギャン暴言吐いて…もうギャンギャンブスですよ…(笑)

―わかります…でも貴子さんは元々、感情を出すのは大人の女性としてみっともないと思っていたんですよね。

そうなんです。強くて美しい女性は感情は表に出さない。辛い時や悲しい時ほど笑顔でいることが格好いいって思ってたんです。でも、その理想的な女性に近づくために私は、自分を偽っていたことに気付いたんです。ありとあらゆる努力をして、でもまだ何かできることがあるんじゃないかと思って先生に聞くと「楽しく過ごしてください」って仰るんです。それで、楽しく過ごすっていうのは不安もなく笑って過ごすことだって思っていた私は、笑えない自分はダメなんだなって、悲しい気分でいる自分はダメだなって思ってしまって…。楽しくならなきゃ楽しくならなきゃって思っていたら、自分がどんな時に楽しいと思えるのか分かんなくなっちゃって。そりゃそうですよね…悲しい、辛い、と思うネガティブな気持ちに蓋をして無視していたら、一方の楽しい!幸せ!なんていうポジティブな感情も同じように分からなくなっていっちゃうんです。

そんな時、仕事中の夫が「きれいな月だよ」って外に出るように電話してきてくれたんです。それで月を見上げたら涙が止まらなくなってしまって。それで「ああ私、自分のために泣いてあげてなかったな」って初めて思ったんです。「こんなに頑張っている自分を自分が認めてあげなくて誰が認めてあげるの? 誰が理解してくれるの?」って…。そこからどんな感情も否定したり蓋をしたりするのをやめて、すべてちゃんと受け止めるようにしたんです。

―加藤貴子さんに寄り添い続け、辛い不妊治療を二人三脚で乗り越えるご主人と加藤さん。不妊治療を通して、加藤貴子さんが強く思うようになった事がありました。第三回に続きます。

文/和氣恵子


加藤 貴子 女優
アイドルグループのメンバーとしてデビュー。TBSの昼ドラマ愛の劇場の「温泉へ行こう」シリーズのヒロインを演じ人気者に。
2013年結婚。2014年第一子、2017年第二子を出産。2018年3月に自身の妊活体験をまとめた『大人の授かりBOOK』(ワニブックス)を出版。


42歳で、「子どもがほしい」と踏み込んだ不妊治療の世界。男性不妊、流産、不育症――。起こった全てを「〇」に変えるための、心の処方箋。
不妊治療を経て、44歳、46歳で出産した、女優・加藤貴子が伝えたい、妊活クライシスにならないための「小さな習慣」。



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