子どもの“反抗期”どう乗り切ればいい?【幸福度を高める ポジティブ心理学#9】

子どもの“反抗期”どう乗り切ればいい?【幸福度を高める ポジティブ心理学#9】

子どもの反抗期。誰もが通る道だとわかってはいるものの、反抗的な態度をとられると腹が立つものですよね。思わず怒鳴ったり時には手が出てしまったり…結局どう接するのが正解なのでしょうか?子供の反抗期をどうとらえて、どう乗り切ればいいのかポジティブ心理学の視点から教えていただきます。


そもそも「理想の子ども」ってなんでしょう?

幼かった頃は「お母さんが小さい頃は、こんな風にしてたんだよ」と話すと「そうなんだ!」と素直に目を輝かせて聞いてくれていた子どもも、思春期を迎えて「お母さんのときはね・・・」なんていうと、「今は昔と違うから」と返されるようになります。

自分を尊敬してくれる人と一緒にいると、居心地がいいものです。「私は間違ってない」「私は完璧だ」と思わせてくれて、ちょっと偉くなった気分にさせてくれるからです。知らず知らずに親にとっての子どもはそんな存在になるのかもしれません。子どもが生まれたときから、絶対的な上下関係の構図があり、子どもにとって自分はなくてはならない存在、尊敬される存在だと感じることでプライドが高まっていきます。

しかし、大きくなり自分の意見を持ち始めるとそうもいきません。今までプライドを保たせてくれる存在だった子どもが、自分を否定する言葉を発するたびに動揺します。

まず、自分の中に「子どもってこうあるべき」という理想像が出来上がっていることに気付きましょう。

・子どもは親の行動を批判するべきではない
・子どもは親に注意されたら反省するべき
・子どもは親のアドバイスを聞くべき

イラっときた時、その怒りの感情の源にこんな「べき思考」があるのではないでしょうか。
自分が抱いている子どもへの「べき思考」を思い切って認めてしまいましょう。

これは何も、「子どもにそんな理想を勝手に押し付けてはいけません。」と言っているわけではありません。理想像や「べき思考」を抱いているのに気づいてないことが問題なのです。水が漏れているところを見つけたら水が止められるのと同じように、怒りの源を知って認めると意外なほど怒りのレベルが下がってくるのです。

「どうしてこんな気持ちになってるのか?」をちゃんと見つけてあげると自分の心がラクになることを体験してみてください。

反抗的な態度にイラッ! とにかく怒りを鎮めたいときは

緊張したときに深呼吸をする人は多いと思いますが、確かに呼吸にはリラックスして心を落ち着ける効果があることが実証されています。

どうにかして早く怒りを鎮めたいというときは、呼吸の数を1から10まで数えてみましょう。

できるだけゆっくり鼻から呼吸をし、息を吐くときに1、2、と10まで数えます。これが効く理由は3つあります。

1つは、意識が怒りの矛先から呼吸に移ること。そのことを考えちゃだめだと思うと余計に考えるものですが、呼吸に意識を集中させていると自分を怒らせた子どもの行動や言葉のことはあまり考えずに済みます。

2つめは、自律神経に働きかけて体のストレス対応システムをコントロールできることです。怒りがあると、脳からの指令で心拍と呼吸が速くなります。そこでわざと呼吸をゆっくりにすると、脳は「不安やイライラが消えた」と勘違いするのです。

3つめは、90秒以上違うことに意識を向けている間に怒りによって分泌されたアドレナリンの血中濃度が薄まるからです。1回10秒以上の呼吸のペースで10まで数えると、100秒経過します。たった10回の呼吸、2分もかからないこの方法で怒りのホルモンが消えてくれるなら、とても画期的な方法だと思いませんか?

もし90秒経たないうちに思い出してアドレナリンを分泌させて、怒りの火に油を注ぎ続けていては、いつまで経っても怒りは静まりません。それどころか何度も考えているうちに「私なんて親として失格かも。」「私の育て方が悪かった?」など別の思考が連鎖して起こってネガティブ思考のサイクルにはまりやすくなります。怒りを感じている事に気づいたら、静かにゆっくり呼吸を数えてみましょう。

怒りが起こったその場にいたのでは、呼吸に意識を向けるのは難しいので、その場を離れるなどして呼吸に集中できるよう工夫してみましょう。席を外して呼吸を数えたら、きっと穏やかな気持ちでその場に戻ってくる事ができるはずです。

正しさを証明しようとしない

自分が正しいと信じている時は、こちらの正しさを証明しようとやっきになってしまいがちです。でも、本当に自分が正しいと言い切れますか?

私たちに届いている太陽の光は、今この瞬間の太陽の光のように見えるけれど正確には8分19秒前に太陽が発した光です。本当に見えても違うことがたくさんあります。

なのに、親の自分が正しいことをどうして子供は理解しないんだろう? と苛立って、説き伏せようとします。子供も同じような気持ちになっているかもしれません。「なんで分かってくれないんだろう?」と。
もし、言葉で言い負かして自分の正しさを証明できたとしても、子供は親のあなたに良い感情を抱けずもやもやした気持ちが残るでしょう。

まず相手の立場になって話を聞いてみましょう。お互いの思い込みや認識のズレが明らかになるかもしれません。

そしてやっぱり意見がくい違う時は、「あなたは〜したほうがいい」という言い方より、「私は、〜がいいと思っている」のような「私は」こんな意見を持っているという示し方だと、押し付けている感じになりません。

子供の言動で傷ついたり怒りが続いたりする時は、「私は傷ついた」「私は怒った気持ちになった」「私は悲しかった」と伝えていいと思います。親でも傷つき、怒り、悲しむ事がある事をちゃんと伝えていいのです。より良い人生を歩んで欲しいと思って、自分の枠にあてはめて考えるのが親の常です。まだ子供でも、人と人との付き合いに変わりはありません。お互いの考えや気持ちを尊重しあえる関係が築いていけると良いですね。

株式会社マインドフルヘルス代表山下あきこ



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この記事のライター

医学博士、脳神経内科・内科医師。2016年に健康習慣を身につけるサービスを提供したいと考え、株式会社マインドフルヘルスを設立。

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