「事実婚」のメリット、デメリット【幸せ夫婦コミュニケーション術 #82】

「事実婚」のメリット、デメリット【幸せ夫婦コミュニケーション術 #82】

先月、はあちゅうさんが発表し、話題となった「事実婚」。婚姻届を出さずに婚姻関係を結ぶ事実婚には、形にこだわらず自分たちの意思だけで自由に関係を楽しむメリットがある一方で、家族なのに法律に守ってもらえないなどのデメリットもあります。事実婚とは一体どんなものなのか、お話します。


婚姻届がいらない「事実婚」

まず、「事実婚」とは

・婚姻届を出さない(新しい戸籍を作らない)
・ふたりの姓はそれぞれ変わらない
・必ずしも同居する必要がない


など、主に「ふたりの意思だけで婚姻関係を結ぶこと」を指します。

「銀行口座やクレジットカードの名義を変更する手間がない」「住民票を同じにしていれば家族と認められるケースが多い」など、一般的な結婚(法律婚)に比べて煩雑な手続きがないことが事実婚のメリットです。

また、夫婦別姓が認められていない日本で、夫の姓を名乗りたくないという妻にも事実婚は有効です。

「結婚したい=一緒にいたい」というふたりの気持ちを、よりシンプルにしてくれるのが事実婚。法律に縛られないということは、逆にそれだけふたりの意思が婚姻関係を続けるには重要となり、お互いを大切にしようとする姿勢も強くなる、といいます。

「事実婚」と認められるために必要なもの

ですが、婚姻届を出さない事実婚は、どうやってふたりが婚姻関係にあることを証明すれば良いのでしょうか。

第三者から見て事実婚のふたりだと理解してもらうためには、契約書や誓約書が有効です。

・いつから事実婚となったか
・いつから同居しているか(生計をともにしているか)
・不貞行為があった場合の慰謝料


これらは、慰謝料以外は法律婚であれば婚姻届に書く内容と同じです。どこにいつから住んでいるか、ふたりがどんな意思で一緒に住んでいるかを客観的に証明するものとしてふたりで作成しておけば、口で説明するより認めてもらいやすくなります。

また、契約書や誓約書だけでなく、住民票もわかりやすい証明のひとつです。

事実婚として同居を始める場合、男性を世帯主とするなら女性の続柄を「妻(見届)」と記載します。

同一世帯の続柄は、行政サービスや保険などで重視される点です。婚姻届を出していなくても、「妻」として同じ家に住んでいることがわかれば、ふたりの関係が事実婚であることが認めらやすくなります。

「事実婚」のデメリットは法に関することにある

まだまだ法律婚が一般的な婚姻の方法とされている日本では、事実婚と言われてもピンとこない人も多いでしょう。

「籍は入れていないけど夫婦」と聞くと、「何か問題でもあるのかしら」「無責任な関係」と思われることも多く、特に年配の人たちには受け入れづらい形でもあります。

人に理解されにくいことに加え、事実婚の大きなデメリットは子どもが産まれたときにもあります。

本来、入籍している夫婦でなければ、たとえ血がつながっていてもふたりの間に産まれた子どもは「非嫡出子」となり、男性の子どもと認めてもらうには、家庭裁判所の許可を得なければなりません。

また、どちらかが亡くなったときも、事実婚であるパートナーは民法上の相続人とはならないので、あらかじめ遺言書を作っておくなどの準備も必要です。

所得税の配偶者控除が受けられなかったり、生命保険の受取人として認めてもらいづらかったりなど、法律婚であれば受けられる夫婦のメリットが事実婚では適用されない場合があるのです。

法律に縛られないことは、自由である反面、恩恵も受け取れないことをしっかり認識しておく必要があります。

「事実婚」は離婚のハードルが低いというメリットも

一方で、事実婚は「離婚したくなったときもお互いの意思だけで済む」というメリットがあります。婚姻届を出さないので、離婚届も必要ないのですね。

もちろん、どんな形であれ一度夫婦となったなら、最期まで添い遂げるのが理想ではありますが、性格の不一致や相手の浮気などで離婚したくなることもあるでしょう。

他に好きな人ができた場合、法律婚であれば、先に夫婦関係を壊した有責配偶者は、相手が了承しないと離婚することは難しいですが、事実婚はふたりの意思さえ合致すれば離婚できます。調停や裁判を起こすようなこともなく、ふたりの気持ちで決めることができるので、新しい人生を歩みたくなったときによりスムーズに動けます。

かといって、決して無責任に関係を解消できるということではありません。住民票を同じにしていて家族と認められている場合などは、相手の浮気が原因で事実婚を解消せざるを得ないときは慰謝料の請求が認められることもあります。

法律婚では、夫婦関係が破綻していることを証明する必要があったり、煩雑な手続きが必要であったり、離婚することは精神的にも大きなダメージを負いやすいのが現実です。

事実婚は、法律に従わなくて良い場面があるぶん、法律婚より身軽になりやすいというのはメリットのひとつです。

「事実婚」であっても結婚に変わりはない

事実婚であれ法律婚であれ、婚姻関係を結ぶことに変わりはありません。

婚姻届を出さないから気軽にできる、というものではなく、出さないからこそお互いが責任を持って夫婦生活に向き合う姿勢が求められます。

法律婚と事実婚。

どちらが良いと決めつけるのではなく、結婚で人生をより豊かなものにするという基本的な考えを忘れずにいたいものですね。

幸せ夫婦コラムニスト ひろた かおり



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この記事のライター

「自分の人生は自分で決める」がモットー。難病の自分を支えてくれた夫との生活が幸せに続くように、と強く心に誓い日々を生きる。

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