夫が定年退職したら? 夫原病や熟年離婚について 【夫婦問題お悩み相談室 #23】

夫が定年退職したら? 夫原病や熟年離婚について 【夫婦問題お悩み相談室 #23】

人生50年時代から人生100年時代へ。人生が長くなり、子育てが終わったあとも結婚生活は続きます。夫婦二人きりの生活となる熟年世代ならではの悩みが生じ、とくに妻からの愚痴や不満の声が多く聞かれます。今回は、夫が定年退職後の暮らしに不安を感じている妻からの相談です。


【お悩み】友達が少なく趣味もない夫。定年退職後に夫が一日中家にいる生活は絶えられそうにありません。熟年離婚まで考えてしまいます。どうしたらいいでしょうか。

13歳年上の夫は現在、54歳です。私は友人と食事したり、旅行に行ったり、一人でヨガなどを楽しんでいますが、夫は友達はいないし、まったくの無趣味…。今は仕事で忙しく、土日も不在がちなので気になりませんが、このまま定年を迎えて一日中家にいるかと思うとゾッとします。その時に向けて熟年離婚の準備をすべきか、はたまた夫を変えることはできるのでしょうか…。(Kさん・41歳)

夫がストレス!「夫原病」で体調を崩す妻

今年3月、タレント・上沼恵美子さん(62歳)が、自身がMCを務める番組「怪傑えみちゃんねる」で、「夫源病」を発症していたことを明らかにしました。

「夫源病」とは、夫が原因となって、妻の体や心が不調になる病気のこと。医学的な病名ではありませんが、夫の存在や言動によって妻がストレスを生じ、自律神経やホルモンのバランスを崩し、めまい、動悸、頭痛、不眠などの症状が現れるそうです。

あるサイトでは、「夫源病」の原因となる夫の特徴を以下のように紹介していました。

●人前では愛想がいいが、家では不機嫌
●上から目線で話をする
●家事に手は出さないが口は出す
●妻や子どもを養ってきたという自負が強い
●ありがとうやごめんなさいのセリフはほとんどない
●妻の予定や行動をよくチェックする
●仕事関係以外の交友や趣味が少ない
●妻が一人で外出するのを嫌がる
●家事の手伝いや子育てを自慢する
●車のハンドルを握ると性格が一変する

(出典:石蔵医師監修 eo健康『体調不良は夫のせい?夫が妻を病気にする「夫源病」』)

そして「夫原病」になるタイプの妻は、几帳面で責任感が強い。世間体を気にする。我慢強く弱音を吐かない。よい妻であろうとする。といった特徴があるそうです。

上沼さんのご主人も退職後は家にいることが多く、妻の外出先についてきたり、細かいことにダメ出しするなど、夫の言動にストレスを感じていたそうです。

Kさんも、夫が定年退職後、「夫原病」になるのではないかと、今から心配しているような内容だと感じました。

女性は敏感で勘のいい生き物

夫婦問題カウンセリングを行う私のところにも、「夫の行動」「夫の仕草」「夫の言動」が気になって仕方がないと話す熟年女性からの相談が少なくありません。
子育て期を終えた熟年世代になると、相手の行動が気になったり目障りに感じたり、不快に感じることが多いようです。

女性は「敏感」で「勘」のいい生き物です。
これは、子どもを産み育てるために必要な女性特有の特徴で、子どもの顔色や体温の変化にいち早く気付くように私たち女性はできています。確かに、妻の容姿や周囲の変化にいち早く気づく男性は、女性ほど多くありませんよね。一般的に妻の言動に対しても寛容な気がします。

私は、常々「熟年世代の女性は、むしろ鈍感でいい」と思っているのですが、せっかくの勘の良さと敏感さがプラスの方向に活かされないのが困ったところです。

Kさんは、趣味もなく友人もいない夫のことを今から心配しています。

夫の食事の用意をしなければならない。
自分の時間がなくなる。
夫に干渉される。拘束される。


など、夫の退職後、それまでの自由な生活ができなくなるのではないかと不安に感じているのだと思います。
ですが、定年後の生活はまだ始まってもいません。何年も先の話ですし、ちょっぴり心配し過ぎなのではないでしょうか?
いずれにしても、「熟年離婚に向けての準備」について考えるのは時期尚早です。

将来をあれこれ心配するより、どうすれば、Kさんの不安が減少するのか、一緒に考えてみましょう。

結婚の形態に「決まり」はない

人は往々にして思い込むところがありますが、夫のことを「こんな人」「こうなるに違いない」と決めつけているところはありませんか。

将来は未知数ですから、ご主人が無趣味かどうか、まだわかりません。もしかしたら、現役のいまは時間がなくてできないだけかもしれませんよ。

また、ひと昔前、当たり前とされていた「結婚の形」はいまや当たり前でなくなり、「別居婚」「通い婚」「事実婚」「同性婚」など、婚姻形態も多様化しました。
夫婦二人にとって心地いい生活を選択していい時代なのです。パートナーが病気だったり介護が必要でない限り、「食事の支度をしなければならない」「一緒にいなくてはならない」ということはありません。

よほど危険で生活に支障が出るなら問題ですが、そうでなければ、夫婦が互いに依存しすぎず、それぞれが自立した暮らしを目指してもいいのではないでしょうか。誰も咎める人はいないと思います。

互いに自立し、支え合える関係を目指す

私の周囲は、定年後も異業種交流会や趣味の場で新たな出会いを楽しみ、仲間づくりをしながら、交友を広げている方が多いのですが、皆さん刺激を受けて見た目も心も若々しく前向きな方が多いという印象を受けています。

ご主人任せにするのではなく、Kさんもアンテナをはって、さまざまな情報を収集してみてください。情報通の知り合いや先輩主婦に聞いてみるのもお勧めです。

具体的に話さないと気づかないのが男性です。Kさんが不安に感じていることを気負いなく正直に話し、情報を共有して、ご主人と一緒に将来について考えてみるのもいいかもしれませんね。

まだまだ時間があるのがKさんの強みです。人生100年時代。将来を決めつける必要はありませんし、ご主人の交友関係は今からでも作れますよ。
お互いのいいところは尊重し、足りないところは補い合いながら、夫婦で応援し支え合える関係を目指してくださいね。

夫婦問題カウンセラー 渡辺里佳



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この記事のライター

夫婦問題カウンセラーとして、結婚・離婚・夫婦に関するコラム記事を発信、電話カウンセリングのボイスマルシェでも活動している。

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