親から子への性教育 何歳で何を教えればよいでしょうか【アラフォーからの性教育 Q&A#12】

親から子への性教育 何歳で何を教えればよいでしょうか【アラフォーからの性教育 Q&A#12】

様々な情報があふれる昨今、子どもに早いうちからきちんと性教育をしたいと思う親が増えています。しかし実際どのようにいつから始めたらいいのか分からない、という方も多いのではないでしょうか。助産師でバースセラピストのやまがたてるえさんに教えていただきましょう!


Q.子どもにはきちんと性教育をしたいと思っています。何歳で何を教えるのが正しいのでしょうか?

5歳の男の子の母です。子どもには学校に頼ることなく、親からきちんと性教育を教えたいと思っています。いったい何歳でどの程度のことを教えたらいいのでしょうか? また、男の子の性教育は父親が行った方がいいのでしょうか?教えてください。

まずは三大欲求のうちの一つ「性」について丁寧に伝えること

現代を生きる我々は、日々流れてくる膨大な量の情報に翻弄されます。ニュースをみれば色々な事件の背景に性に関する問題が影響していることも多々あります。セクシャルハラスメント問題もいったいなぜここまで多いのでしょう? それは大人たちが性の健康、権利について根本的にわかっていないことが原因であり、その知識不足から出てくる言動が原因なのではないか? と感じます。

そして「性教育」というと「エロい」「いやらしい」「はずかしい」というイメージで嫌煙されがちですが、こう考えるとどうでしょう?

人間の3大欲求には「食欲・睡眠欲・性欲」とあり、「性欲」は単純にそのなかの一つの自然な欲求です。しかしあまりにも敬遠され公の場で語られることはなく、淫靡なものとして情報が隠されていると思いませんか? 食はものすごく細分化され専門的に掘り下げられて日々メディアでも大きく取り上げられる人気コンテンツです。睡眠についても「睡眠学」という分野ができ、書籍も多く出版されています。なんといっても人生の3分の1は眠っている時間といわれていますからね。

しかしやはり、自分が存在することに大きく関与している「性」は最も大切な生理的欲求であると思います。この「性の健康教育」を、子ども達が人生を歩むうえで大切なことと位置付けることがなにより大切です。ここがしっかりしていれば、言葉を丁寧に扱うことや、他者を思いやる気持ちを自然に育むことができます。

正しい性の健康教育をしっかり理解すれば、「自分が存在するだけですごいことなんだ」という自己肯定感を生むこともできます。

0歳からはじめる性の健康教育

質問者さんからは「何歳から?」とありますが、性の健康教育はある意味「生涯教育」でもあると思っています。性という字は「心」と「生きる」と書いてあるように肉体的なことだけではなく、精神的にも大きな影響を与え、両方を健康に育むことに繋がるのです。

よくお伝えするのが0歳から「教育」という言葉を使うのが正しいのか分かりませんが、「抱っこされていい気持ち」だと感じることや「おむつを変えるとすっきりする」「お風呂でキレイになると気持ちがいい」と思うことはすべて「快」になり、この快な出来事が「性」と深く結ばれているんです。人と触れ合うことを苦手とする人がいますが、もしかしたら幼少期に「人に触れたらダメなんだ!」と感じる出来事があり、強いトラウマが残っているケースなどがあります。

幼稚園くらいになったらやたらと「おしり、おっぱい」といいはじめたりしますよね。それは心理的な成長発達だったりします。大切な成長であり発達ですが、そういう発言をしていいのか悪いのかマナーなどについて教える必要があります。また、以前もここでお伝えしましたが、プライベートゾーンについても話していくことはとても大切です。

プライベートゾーンについてしっかり伝える

今回の質問者さんのお子様が5歳なので、プライベートゾーン(水着で隠れる部分)については男の子でも女の子でもしっかりとお伝えしていい時期です。保育園や幼稚園での着替えの際にふざけてしまうこともあるかもしれませんが、人のプライベートゾーンに触れてはいけないということをしっかり教えましょう。ここは大切な命を育む場所だということを絵本などを通して伝えることも効果的です。伝えづらい…と感じる方もいるかもしれませんが、あまり難しく考えずに「ここは大切な場所なんだよ」という形でもいいのです。

自分以外の人に触らせない、見せない、写真を撮らせない。自分も他の人のプライベートゾーンに触れない、見ない、写真を撮らない。この時によく「知らない人には触らせない」という親御さんがいらっしゃいますが、「知っている人でも触らせない」ということをお伝えください。性被害の多くには“少し”知っている人が含まれています。自分の体以上に大切なものなどないということをお風呂などで丁寧に伝えましょう。

特に男の子に性器をきれいに洗うことを教えられるのは小さな頃だけです。お父さんがお伝えすることができればいいですが、なかなか実践してくれないパパがいることは知っています(笑)なので、小さな頃に清潔を保つことの大切さや性器は不潔なものではないこと、不潔な手で触ってはいけないことなどについて丁寧に優しい言葉で伝えてみて下さい。性教育にかぎらず同性同士だから話しやすい事もありますので、どんどんお父さんも一緒に考えていってくれることができたらいいですね。思春期になって慌てて性について話そうなんてしても無理です。小さな時から性に限らずたくさんのコミュニケーションを育んでいきましょう。

お子さんの個性と家庭のスタンスで考える健康教育

お子さんがこれから成長していく中でお子さんの個性に合わせて性の健康教育をすることをお勧めします。例えば初潮が早そうなお嬢さんなら小学校3年生にはもう月経について知っているべきです。私がお勧めしているのはアクティブラーニングな性の健康教育です。その時に起きたニュースや身近な出来事。お子さんのお誕生日に妊娠中の写真を見せて「このおっきなお腹にあなたがいて、ママから生まれてきたんだよ」と伝えてあげる。そしてお子さんがどんな風に感じたかを語らえる時間をぜひ作ってもらいたいと思います。

そしてその日はパパはどんな風にしていたかを教えてあげる。これも立派な性の健康教育です。どんな風に語るか、そしてどんな言葉で届けたいか? それを保護者が考えることができればその子にあった性の健康教育を行うことがあできます。そして、小学校にあがり、中学校にあがり、いろいろな情報を持ち帰るときになんでも話せる親子関係があればどうでしょうか?

あまり気負わずに自然体で親子で性について語ることが、なによりの健康教育になること。そして「人権」という視点もぜひ忘れずに一緒に学んでいきましょう。以前もかきましたが、子どもを産むか産まないかを選択する権利が私たちに女性にあるということをしっかりと認識し、子どもたちにも伝えていきましょう。

子どもを通して保護者自身が新しく学ぶチャンスだと思っていろんな話をしてください。誠意ある言葉は内容は少し難しくても「あなたを愛している、大切に思っている」という思いで伝わります。ぜひたくさん、お子さんと話す機会を設けてくださいね。

助産師・バースセラピストやまがたてるえ



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等身大の母から伝える「いのち・こころ・からだ」をテーマとした講演、お話し会や、雑誌などがメディアにも取り上げられている。

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