超高齢化社会! 私たちは何歳までセックスできるのか?【すずね所長のオトナ夫婦の寝室事情#9】

超高齢化社会! 私たちは何歳までセックスできるのか?【すずね所長のオトナ夫婦の寝室事情#9】

人生100年時代。果たしていつまで人間の三大欲求「食欲」「睡眠欲」「性欲」を満たし続けることができるのか? すずね所長こと、三松真由美先生にあつく語っていただきます!


セックスの土台さえあれば、何歳でもできます

セックスレス改善のカウンセリングをしていると「いったい何歳までできるものですか」「夫婦は何歳までするのが平均ですか」「そろそろ卒業するほうがいいですか」などと尋ねられることがよくあります。

わたしの回答

「何歳までできるかの平均値なんてありません! やらなきゃいけない義務もありません!」

追伸「セックスの定義を替えれば何歳でもできます」


健康状態や体力にもよりますし、セクシャルデザイアーは人によってバラバラ。男性側が求めても女性側がしたくない場合もあるし、その逆もあります。

「”死ぬまでセックス”がスタンダードなんだから、やろうよ」と夫に言い寄られても妻は更年期症状がひどくてそれどころではない、というすれ違い夫婦が圧倒的多数なのも現状です。二人の健康とセクシャルデザイアーを考慮して、現時点はできないけれど来年は復活しようとか、連休に時間を取ってしてみようとか、のびしろを多くとるのが理想です。

そして、年齢や体力に応じてセックスの内容を自由自在に替えることができる頭の柔らかさこそ、我が国の40代以上のカップルに必要なことではないでしょうか。もちろん両者とも「もうしたくない」のであれば締めてよし。ただ、ふとしたきっかけでセクシー脳が再起動したり、挿入はいやだけれど素肌にタッチはして欲しい、など気持ちの変化を感じたらどうしますか。それを放置してはいけません。性衝動の復活を相手に伝えることは、これからのオバフォー世代には必要なことです。

そうです、いかなるときも臨機応変に対応できる「セックスの土台」を夫婦で構築しておくことがポイントになります。性欲曲線は株価のように変動する摩訶不思議なものですから、片方だけが悶々と悩むシーンも少なからず。片方だけの不満は夫婦関係のほころびに通ず。

10年後にセックスしている自分を想像できるか⁉

オバフォー世代では感じることが少ない「老い」をオバフィフ世代は身体全体で感じるようになることも覚悟してください。「セックスくらいいつでもできる」とたかをくくっていたら、いざ求められた時にカチコチに萎縮して痛くてたまらず、途中断念。そして復活不能と思い込んで卒業宣言する女性をたくさん見てきました。

『婦人公論』の性の終焉に関する手記を読むと、そこはかとない寂しさが伝わってきます。私の相談所に来られるオバフィフ世代からはこんな発言が出てきています。「もう女として終わってしまいました」「死ぬまでにもう一度だけ男性と抱き合いたかった」「30代でセックスレス、20年何もありません。でもこのまま女の悦びを思い出すことなく死ぬなんて寂しい」・・・・といった無念の思いが呪詛のように語られているのです。

性に関して老いはネガティブなことではない、と言っても、聞く耳持ちません。身体とともにセクシー脳も固まってしまい、リカバリーする力がみなぎってこないのです。アラフォーの皆さまには、そうならぬよう、性器官と、セクシャルなことを考える頭をいまのうちにメンテナンスしておいてください。コンサル界や自己啓発界でアファメーションという言葉があります。これはセックス界でも使い倒して欲しいくらいです。肯定的な言葉を常に意識しておく。

「わたしは10年後も健康できれいで、セックスできるイケてる人生を送ってるわ」ですね。

フランス人に学ぶ「一生セックス」

高齢化進行中の我が国、老人ホームでの恋愛トラブルや介護しているおじいちゃんにセクシーなことをされた介護士さんの話題など目にします。シニアになると性の欲求はなくなるなんて思ってはいけないことがわかります。日本ではシニアがエッチなことを色ボケと言って、はしたない印象ですが、アムールの国フランスシニアが聞いたら怒ります。

フランスに限らず、ラテン系のお国は男女関係を非常に大切にとらえています。フランスにフューチャリングするのは『セックス・アンド・ザ・シックスティーズ』というフランスの心理学者マリードさんが書いた熟年の性の本のオビを私が書いた経緯があるからです。

マリードさんは65歳以上でセックスをすることが快楽の源であると回答した人が12%だったのに、「そうありたいと感じている」人が36%もいると気づきました。若い頃には感じることができなかった穏やかな官能を語るフランスのシックスティーズ世代。高齢期を美しく彩るものとなる「セックス」をたかだか40代であきらめてはいけないということが、解明されました。次回は80代になってセックスを復活させたカップル事例をもとに「いくつまでセックスできるか問題」を考えてみたいと思います。

夫婦仲相談所所長/執筆家 三松真由美

セックス・アンド・ザ・シックスティーズ

著者 マリー・ド・エヌゼル 心理学者、心理療法士、作家。英語教師を務めた後に大学に戻り、 臨床心理学・精神分析学を学ぶ。1975年から心理学者としてキャリアを開始。 1986年に当時のフランス大統領フランソワ・ミッテランの勧めにより、 フランス最初の緩和ケアチームに参加。人々の生を見つめ、 幸福な老いについて考えるようになった。 ロベール・ラフォン社から刊行された代表的な著作に、 『死にゆく人たちと共にいて』(邦訳:白水社刊)、 『La chaleur du cœur empêche nos corps de rouiller(熱い心があれば体は衰えない)』、 『Nous voulons tous mourir dans la dignité(みんな人間らしく死にたい)』がある。



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この記事のライター

恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。

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