離婚したくない!「産後クライシス」対処法【幸せ夫婦コミュニケーション術 #66】

離婚したくない!「産後クライシス」対処法【幸せ夫婦コミュニケーション術 #66】

出産後から、夫婦の仲がギクシャクしてしまうのが「産後クライシス」。最悪の場合、離婚まで発展することもあり、決して軽い問題ではありません。産後クライシスを防ぐには、何より自分の意思をきちんと伝える姿勢が重要。どんなコミュニケーションを取っていけば良いか、ご紹介します。


妻の負担が増加する産後の生活

出産までは、夫とも普通に仲が良かった。産後の生活についても話し合った。けれど、いざ子どもが産まれると現実はもっと厳しかった……。出産後の夫との関係について、悩む女性は多いですね。妻は産後の辛いカラダに耐えながら数時間おきの授乳におむつの交換、なぜ泣くのか分からない子どものお世話で大変です。しかし、夫は以前と変わらない生活を続けようとします。関係がつまずく原因は、夫の不理解にある、とほとんどの女性が思いますよね。

多くの家庭の場合、育児に加えて家事もこなさければなりません。掃除に洗濯、夫の食事の用意など、今までの家事プラス育児が加わるのですから妻への負担が増加するのが現実です。対して多くの夫は、産前と同じように会社に行って帰って来る毎日を送り、生活のペースが変わらないことを望みます。そのギャップが、肉体的だけでなく精神的にも妻を追い詰めます。

妊娠や出産の大変さを、間近で目にはしても決して実感できないのが男性です。妻が寝不足に耐えながらやっていることも、「動けているなら大丈夫でしょ」と安易に納得してしまいます。妻の精神状態を慮ることより、目の前の「やれている」という事実だけを見てしまうのですね。

そんな夫の無関心や無理解が重なると、妻の心はパンクしてしまいます。苛立ちは嫌悪に変わり、諦めを生み、いつしか愛情まで消えて離婚する。こんな悪い流れを断ち切るには、どうすれば良いのでしょうか。

夫に「しんどい」「大変なの」と言うのは悪いことじゃない!

現代でも、「妊娠は病気じゃない」などとおかしなことを口にする人が後を断ちません。出産は女性の「仕事」、だから立派にこなすのが当たり前とする風潮は根強く残っています。特に現代の社会では、産休や育休などを男性が取ることを歓迎している会社はまだ少ないでしょう。産後の女性に対する理解は、決して深くないのが現実です。

そんな社会の中で、妻も耐えることを強いられます。仕事で疲れて帰宅する夫には、自宅にこもりっきりで赤ちゃんと過ごす妻の懸命さは、いわば「当然」と映ります。「俺だって働いているんだから」そんな気持ちもあるでしょう。

ですが、妊娠も出産も、子育ても、すべて妻が引き受けて当たり前のことではありません。まず妻自身がこの意識を持つことが大切です。新しい命はふたりで作ったもの、責任はふたり平等であり、負担も夫婦で分かち合うことが当然と考えるのが自然です。夫がそう思っていないのなら、妻のほうから示していって大丈夫。「数時間おきの授乳で体力が回復しない」「家事までやっている余裕はない」「少しでいいから休みたい」など、思ったことは夫にきちんと伝えましょう。その時に感情的にならないことが大切です。

ストレスを溜めないコミュニケーションを考える

例えば、帰宅した夫に「今日は赤ちゃんがぐずる時間が多くてご飯を作れなかった」と言うとします。すると、「じゃあ今夜のご飯どうするんだよ。俺は何を食べればいいの?」と不満が返ってきます。ご飯があると思っていたのに、なかったらショックを受けますよね。

それなら、夫が帰宅する前に、「今日はこんな事情で晩ごはんを作れなかったから、何か買ってきてくれると嬉しい」とLINEやメールで伝えておけば、夫も対応がしやすくなります。帰ってきたら、何があったかを話し合う時間を少しでいいから作りましょう。「こんな事態が起こる」という情報を共有することで、夫にも子育てへの理解を促せます。

ただ「辛い」と伝えるだけだと、夫のほうも「俺だって大変なんだ」と反発するかもしれません。それより、「辛いから何とかしたいんだけど、どう思う?」とふたりで解決を目指す言い方を心がけると、夫も頼られていると感じて「課題」に向き合おうとします。夫が手を出せないお世話の部分は仕方ないですが、それ以外の負担を軽くする方法なら考えられますよね。

気持ちを伝えるのは、「妻の現実」を夫に知ってもらうこと。怠けているわけじゃない、やりたくてもやれないのが子どものいる生活なんだと、妻が言うことでしか夫は知ることができません。「察してくれ」と思っても叶わなかったら余計にストレスが溜まります。夫の意識を変えたいと思ったら、まずは自分から動くほうが良い流れを作れると思いましょう。

子どものためにも諦めないで!

産後クライシスで家庭が崩壊するのは、子どもにとっても悲劇です。本来、子どもは夫婦にとってかけがえのない絆の証。大切に育てるためにも、夫婦の愛情は欠かせません。

関係の改善を諦めてしまうと、事態は悪化するだけです。離婚まで発展してしまうと取り返しがつきません。悪い流れは気づいたらすぐに終わらせること。それだって、子どものためだといえます。

自分の意思を伝えるのはこと決して悪いことじゃありません。一番問題なのは、何も言わずただ耐え続けて、ある日感情を爆発させること。そんなことを繰り返していると夫も家に帰るのが嫌になってしまいます。

大前提として夫は「育児の大変さをまったく知らない」そして「ものごとを観察して慮ったり、妻の感情を推察したりすることはできない」ということを理解することです。それは決して悪意があってだとか、男性が女性より劣っているからではありません。数千年の昔から古来から人間の役目として、男性は狩りに行き、女性は女性同士助け合いながら子どもを育て家庭を守ると分担されてきたのです。それがここ百年程度の社会の変化にいきなり男性のDNAが対応できるわけはありません。

現代日本社会では横の女性同士の助け合いはあまり期待できません。それならば夫と二人三脚で頑張るしかありません。「私が伝えなければ何も分からないんだ」ということを肝に銘じて、“ふたりでやっていこうとする姿”を夫に見せ続けることで、必ず夫の意識も変わっていきます。「育児で大変な上に夫も教育しなければいけないのか」そう思ってしまうかもしれません。しかし、これをすることで格段に自分の生活は楽になり、幸せな子育てができるはずです。

本当に大変な時期はあっという間に過ぎていきます。今は永遠と思えるかもしれませんが、ここが踏ん張り時です。ぜひ、夫と冷静なコミュニケーションを取り合い、産後クライシスから脱却してくださいね。

幸せ夫婦コラムニスト ひろた かおり



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この記事のライター

「自分の人生は自分で決める」がモットー。難病の自分を支えてくれた夫との生活が幸せに続くように、と強く心に誓い日々を生きる。

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