マインドフルネスを日常生活に取り入れよう!【大人のマインドフルネス入門#2】

マインドフルネスを日常生活に取り入れよう!【大人のマインドフルネス入門#2】

マインドフルネスをやってみたいけど、何をどのようにどの程度したらいいかわからない! そんなお悩みにお答えします。マインドフルネスにはいろんな方法があるので、自分にあったやり方を見つけて日常に取り入れてくださいね。


様々な瞑想の段階を経て現実をありのままに受け止める力をつける

マインドフルな状態(マインドフルネス)になるために、瞑想やその他にも有効な方法があります。その中には、しっかり専念して行うものもあれば日常のなかに気軽に取り入れられるものもあります。専念して行う瞑想の基本は、呼吸瞑想です。静かに座って呼吸に意識をむけるだけのシンプルな方法です。

そのほかに、歩行瞑想、手の上げ下ろしに集中する方法、食べる瞑想、体の感覚に集中するボディースキャンなどがあり、バリエーションは豊かです。

「瞑想=マインドフルネス」ではありませんが、瞑想がマインドフルネスの手法として大きな位置を占めています。まずは、サマタ瞑想といわれる「集中する瞑想」で呼吸に集中する方法から入るのが一般的です。サマタ瞑想では、「対象から意識がそれたことに気づく力」が徐々に高まります。この「意識への気づき」をメタ認知と呼びます。メタ認知こそが脳に良い変化を与えてくれます。慣れてきたら、ヴィパッサナー瞑想といわれる「心の中を観察する瞑想」を行います。沸き起こる感情や思いを、一歩引いて観察するようなイメージです。この方法はありのままの現実を受け入れる心を育ててくれます。

待ち時間で気軽にマインドフルネス

呼吸に集中するマインドフルネスは一呼吸からでもできます。例えば、仕事を始めるときにパソコンが立ち上がるまでの数秒間、息を吐きながら鼻の穴から空気が出て行くのを感じ、吸うときに空気が自然に流れ込んでくるのを感じます。このように、いつでもどこでも工夫次第で取り入れられます。

日常の中で待ち時間は多々あります。エレベーターを待つ時間、ポットのお湯が沸くまで、電話の呼び出し中、スーパーのレジの列、信号待ち。慌ただしい日常の中で、こんな時間を見つけたらイライラして時計を見るよりも、脳のリラクゼーションと活性化の時間を得たと思って呼吸に集中してみてはいかがでしょう。

待ち時間で呼吸に集中する瞑想に慣れてきたら、今度は音、見えるもの、香り、肌の感覚などに注意を向ける観察瞑想も楽しんでみましょう。

ついでにできる歩く瞑想

生まれて初めて歩けるようになったときの感動なんて記憶にないと思いますが、試しに生まれて初めて歩くような気持ちで足を動かして前に進んでみませんか?

右足を持ち上げ、膝を伸ばして踵から床に下ろす。床に触れた右足に少しずつ重力をかけて100%重力がかかったら、左足が浮いているはずです。今度は左足を右足同じように動かして前に進めます。右足の重力は踵からつま先へ。

このようにしばらく足の裏の重力の変化を楽しんだら、太ももの筋肉や股関節などにも意識を移して観察してみます。さらに腕の振り、頭の位置、背筋、腰の筋肉など、全身を使っていることを感じます。

真剣にこの「歩く瞑想」を行ってみると、体全体がとても複雑で微細な動きをして歩行が成り立っていることに気づきます。それなのに、日々の生活では体の感覚や動きを意識することなく、自動操縦で歩いています。たまには自動操縦をやめて考え事をストップし、脳を休めてあげましょう。それでも歩いているときは考えが浮かびやすいものです。瞑想を続けていると、ある考えにハマりこんで流されずに、考えがうかんだことにすぐ気付くようになります。歩くときに足の裏などの感覚に集中してみると、素晴らしいアイデアが生まれるかもしれません。

食べる瞑想を行うことで普段より少量でも満足感を得ることができる

マサチューセッツ大学医学部で行われているマインドフルネス・ストレス低減法(MBSR)では、様々な疾患の治療にマインドフルネスが役立てられています。このプログラムの中で初めに行われるのが、レーズンエクササイズです。3粒のレーズンが患者たちに配られ、意識を集中しながら1粒ずつ食べる体験をします。

どんな食べ物でも実践できますが、私のセミナーでよく行うのはチョコレート瞑想です。
まず初めにチョコレートの重みを感じ、初めて見るようなつもりでよく見て、香りを嗅ぎ、舐めてみます。次に、腕を持ち上げて唾液が出るのを感じながらチョコレートを唇に付けます。それから3口でチョコレートをゆっくり味わって食べます。溶ける感じ、味、歯、舌、喉の動きなどを感じながら食べるのです。このワークを行うと、「普段より満足感がある」、「甘みを強く感じる」、「いつもはもっと早いスピードで2つ3つ続けて口に入れる自分に気付いた」などの意見をよく聞きます。

このように「意識的に食べる」行動をとると、ものに対する集中力や観察力を高めることができます。自分がしていることに注意をしっかりむけると、体が感じる感覚や思いなどに敏感になり、それを繰り返していくうちに自然に意識できるようになってきます。

私たちが生きているのは過去でも未来でもなく、“いまここ”。自動操縦で何かをしていると過去や未来の出来事に意識が行きがちですが、目の前のことを自然に意識できるようになったら毎日充実感をもって暮らすことができます。

家事を楽しくする感覚瞑想で家事ストレスからおさらば!

歩いたり食べたりする以外でも、日常生活のあらゆる場面でマインドフルネスは応用できます。

例えば、
・お皿を洗うとき、水の感覚を意識する
・掃除機をかける時、姿勢を意識する
・料理を作る時に、香りを意識する
・アイロンをかける時、布の色やシワを観察する など。
 
普段は面倒に感じる家事作業も、マインドフルネスの時間にすれば、心と体を整える貴重な時間です。座る時間が十分取れなくても、マインドフルネスを行うチャンスはいろんなところに隠れていますね。

そのほかにも、顔を洗うときに指先で泡のふわふわ感に集中してみる。コーヒーの香りをしっかり楽しむなど、毎日当たり前のように行っていることでも五感を研ぎ澄ませてみると、まさに今ここを楽しむことができ、雑念から解放されます。

そうはいっても、気がかりなことがあるとそればかり考えてしまう時もありますよね。そんな時は、思い切ってその事に意識をむける時間を作りましょう。何が気がかりで、今どんな気持ちなのかを紙に書き出してみるのです。もやもやが明確になるとそれだけでストレスが軽く感じられます。さらにその内容はどうにかできるのか、そうでないのかを明確にします。どうにかできるなら方法を考える。自分でどうにもならないことなら、それ以上考えても仕方のないことです。そういう時こそ、今ここに注意を向けるマインドフルネスに徹しましょう。

株式会社マインドフルヘルス代表 山下あきこ



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この記事のライター

医学博士、脳神経内科・内科医師。2016年に健康習慣を身につけるサービスを提供したいと考え、株式会社マインドフルヘルスを設立。

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