最近帰りが遅い夫 もしかして「帰宅恐怖症」?【夫婦問題お悩み相談室#3】

最近帰りが遅い夫 もしかして「帰宅恐怖症」?【夫婦問題お悩み相談室#3】

メディアやマスコミで「帰宅恐怖症」もしくは「帰宅拒否症」という言葉が取り上げられるようになりました。カウンセリングの現場でも、「家には早く帰りたくない」、「妻とはあまり話したくない」と本音を漏らす男性が目立っています。どうしてそのような現象が起こるのか、その理由と背景を探ってみました。


【お悩み】最近夫の帰りが遅いのが気になります。以前のような信頼関係を取り戻したいのですが…

夫の帰宅時間が以前より遅くなっています。帰宅時間が近づくと、「今夜も残業で遅くなる」「急な仕事で終電になる」とLINEが入るのです。 最初は夫を信じていたんですが、あまりにも頻繁なので、女がいるかも、と疑い始めています。それとも今はやりの帰宅恐怖症でしょうか。「そんなに忙しいの?」と聞いても「そうだよ」と言葉少なに返事するだけで、不満が溜まっている私はつい夫を責めてしまいます。 以前のような信頼関係を取り戻したいのですが、どうしたらいいですか。(Mさん・46歳)

「帰宅恐怖症」「帰宅拒否症」とは?

以前と比べ、明らかに夫の態度や行動に変化が見られる場合、外に女性が存在するか家庭内に居場所を失っているか、大きく2つが考えられます。ここでは、「帰宅恐怖症」(「帰宅拒否症」)について考えてみましょう。
改まった定義は存在しませんが、「帰宅恐怖症」(「帰宅拒否症」)とは、本来、自分の居場所であるはずの家庭が居心地悪いために、できるだけ帰宅を遅らせようとする状態、症状のこと。夫婦・家族で行動することの多い海外ではあまり見られない、日本独特の傾向のようです。

仕事が終わってもまっすぐ自宅に向かわず、書店や家電ショップに立ち寄ったり、マンガ喫茶に長居したり、電車に乗り続けて終電で帰る夫たち。中には、妻が就寝するのを見計らって帰宅する夫もいます。先日、NHKでも特集が組まれていましたが、「10年以上前からこんな生活を送っている」という帰宅恐怖症のサラリーマンを紹介していました。

家に帰りたくないのは、妻の存在を恐れているから

どうして、夫たちは家に帰りたくないのでしょうか。
その理由として挙げられるのが「妻の存在を恐れている」ということです。私の相談者さんの中にも、「妻とはできるだけ顔を合わせたくない」「妻とは話したくない」「子どもはかわいいが、妻がヒステリックで怖い」などと訴える人が多く、夫婦関係の悪化が原因で現実逃避している男性が多いことを実感しています。

結婚は生活そのものです。掃除洗濯、料理片付けの家事が常について回ります。ましてや育児中なら、こなさなければならないことが満載で、追い立てられることでしょう。イライラすると口調も刺々しくなり、「ちゃんとやってよ!」「もっと気付いてよ!」と言いたくなりますよね。

その気持ちもわかりますが、逆の立場を想像してみてください。常に不機嫌そうなしかめっ面で文句や愚痴ばかり言われ続けたら、逃げ出したくなりませんか? 妻側にも言い分はあるかもしれませんが、男性は、暗い雰囲気や、ピリピリした緊張感が漂うところを無意識に避けようとします。

男性はシャイでデリケート。ヒステリックな妻ほど嫌なものはない

そのまま放置していると、浮気や離婚に発展する可能性があるので、もしMさんが、夫を責め続けていると自覚している場合は、早めの対処が必要です。

男性は思っている以上にシャイでデリケートです。妻のヒステリックな態度や、愚痴と文句でグチグチと責められることほど苦手なことはありません。妻の話し方や表情をきつく感じると、顔色を伺い、会話を避け、いずれは家も避けるようになります。

元来、狩猟体質の男性は、狩りをして食料を確保し、家族を食べさせて養うというDNAが組み込まれているので、妻子がニコニコと幸せそうにしていると自分も幸せだと感じ、反対に、妻や子どもが不満そうにしていると、「目的達成できない=自分はだめな人間」だと思い込み、自信を失います。男性にとって家庭は「基地」のようなもの。安定した場所でなければならないのです。

ところが女性にとって、結婚は生活そのもの。日々変化の連続です。そして、安心感と愛されている実感を求めます。男性に比べて、不安や心配の要素が強いので、安心したいがために、細かいところにも気付きます。だからこそ、あれこれ言いたくなってしまうし、相手に期待通りに動いてほしいと要求してしまうのかもしれませんね。

「幸せ」は完璧や正しさとは無縁。言葉ひとつで関係性が変わる

「幸せ」は完璧や正しさとは無縁です。美しく完璧に整った住まいでも、夫婦関係が冷え冷えしていたら、幸せな暮らしは望めません。
たいていの男性は、家事の完璧さよりも嬉しそうにしている妻の笑顔と暖かく穏やかな家庭を望んでいます。

言い方ひとつで関係性は変わります。Mさんにとっては当たり前にできることでも、じつは夫は、何をどうしていいかやり方がわからないだけ、ということもあります。ポイントは、噛んで含めるように「わかりやすく具体的に伝えること」。まずはそこからスタートしてみてください。

以前のような信頼関係を取り戻したいなら、「幸せは自分で創る」という意識をもって、寛大な心と笑顔を心がけてみてくださいね。夫にとって家庭が一番の居場所になれば、浮気防止にも繋がりますよ。

夫婦問題カウンセラー 渡辺里佳



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この記事のライター

夫婦問題カウンセラーとして、結婚・離婚・夫婦に関するコラム記事を発信、電話カウンセリングのボイスマルシェでも活動している。

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